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「アバスチン」について進行・再発の子宮頸がんに対する追加承認を申請-中外製薬

読了時間:約 1分30秒
2015年09月24日 PM02:30

2つの試験結果に基づき、効能・効果追加の承認申請を実施

中外製薬株式会社は9月17日、抗VEGF(血管内皮増殖因子)ヒト化モノクローナル抗体「(R)点滴静注用100mg/4mL、同400mg/16mL」(一般名:(遺伝子組換え))について、進行・再発の子宮頸がんに対する効能・効果追加の承認申請を厚生労働省に行ったことを発表した。

今回の申請は、海外で実施された第3相臨床試験であるGOG-0240試験と、国内第2相臨床試験であるJO29569試験の成績に基づいたもの。

GOG-0240試験では、452人の治療抵抗性、再発または転移性子宮頸がんの患者において、標準化学療法(パクリタキセルとシスプラチン、またはパクリタキセルとトポテカン)単独群と、標準化学療法とアバスチン併用群の有効性と安全性を検討した。

アバスチン併用群では、主要評価項目である全生存期間(OS)の延長が認められ、化学療法単独群に比べ、OS中央値が3.9か月延長し、統計学的に有意に死亡リスクを26%減少。また、アバスチン併用群では化学療法単独群に比べ、有意な無増悪生存期間(PFS)の延長が認められたほか、有意な腫瘍縮小率の改善が認められたという。

安全性については、アバスチンでこれまでに報告されたものと同様だったが、消化管腟瘻はアバスチン併用群で化学療法単独群に比べ多く発現した(8.3%対0.9%)。消化管腟瘻が発現した患者は、いずれも骨盤部への放射線治療歴を有していたという。

新規罹患数が増加する子宮頸がんの新たな治療選択肢に

もう1つのJO29569試験では、8名の患者を登録。試験治療開始前に治験中止となった1例を除く7名の進行・再発子宮頸がん患者において、アバスチンとパクリタキセルおよびシスプラチン併用時の忍容性、安全性および有効性を検討した。その結果、併用療法の忍容性が確認されるとともに、安全性については問題となる有害事象は認められなかったという。

なお、アバスチンの子宮頸がんに係る効能・効果は、米国(2014年8月)ならびに欧州連合(2015年3月)をはじめとする40以上の国と地域において承認されている。

同社は、進行・再発の子宮頸がんの患者および医療従事者に新たな治療選択肢となるアバスチンを早期に提供できるよう、承認取得に向けて取り組んでいきたいとしている。

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中外製薬株式会社 ニュースリリース

 

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