医療従事者の為の最新医療ニュースや様々な情報・ツールを提供する医療総合サイト

QLifePro > 医療ニュース > 医療 > 発がん性などが疑われる5つの化学物質について、リスク評価を公表-厚労省

発がん性などが疑われる5つの化学物質について、リスク評価を公表-厚労省

読了時間:約 1分12秒
このエントリーをはてなブックマークに追加
2015年08月14日 PM03:00

化学物質のリスク評価検討会報告書の内容を公表

厚生労働省は8月12日、毎年行われている化学物質による労働者の健康障害のリスク評価「化学物質のリスク評価検討会」の平成27年度第1回の報告書をまとめ、公表した。

事業場で使用されている化学物質の中には、その取扱いによっては労働者にがんなどの健康障害を生じさせるおそれのあるものがある。こうした物質について、厚労省では、「化学物質のリスク評価検討会」を毎年開催。「初期リスク評価」を行い、リスクが高いと考えられる事業場の存在が確認された物質については、さらに「詳細リスク評価」を実施して、事業場間などに共通するリスクの有無を検討・提言しているという。

三酸化二アンチモンには、健康障害の防止措置を直ちに検討

今回は、「ヒトに対して発がん性の可能性がある」、または「神経毒性または生殖毒性がある」とされている5物質についてリスクの評価を行い、以下のような結果を得たという。

「三酸化二アンチモン」については、詳細リスク評価の結果、健康障害防止措置の検討を行うように着手し、「塩化アリル」については、一部の事業場でリスクが高い状況が見られたことから、詳細リスク評価を実施する。「クメン」については、リスクが高い状況は見られないものの、有害性の高い物質であることから、関係事業者による自主的なリスク管理を進めることが適当であるとされた。

「酸化チタン(ナノ粒子)」については、現在、リスク評価を行っているナノ粒子以外の酸化チタン評価結果と併せて、粒子の大きさとリスクの関係を踏まえた対応の検討を行う。「グルタルアルデヒド」については、事業場間で作業工程に共通すると考えられる高いリスクは認められなかったため、関係事業者が自主的なリスク管理を進めることが適当であるとした。

こうした検討などに先立ち、リスクが高い状況が見られた事業場に対し、適切なばく露防止措置を講じるよう指導するとしている。

▼関連リンク
厚生労働省 報道発表資料

このエントリーをはてなブックマークに追加
 

同じカテゴリーの記事 医療

  • OTULIN関連自己炎症症候群の常染色体顕性遺伝形式発症を確認、世界初-横浜市大ほか
  • 膵がん、線維化形成に関与するタンパク質ROCK2を同定-岡山大ほか
  • EYS関連網膜色素変性に視細胞変性への光暴露が関与、ヒトiPS細胞で解明-理研ほか
  • NGLY1欠損症、オキシトシン治療でモデルマウスのけいれん様症状抑制-理研ほか
  • 汗孔角化症、FDFT1遺伝子のエピゲノム異常が発症に関わることを発見-神戸大ほか