2型糖尿病患者95人対象、チルゼパチドの食事関連QoLや糖尿病治療満足度への影響を調査
秋田大学は11月4日、2型糖尿病治療薬チルゼパチドの治療が、血糖値や体重の改善に加えて、食事関連の生活の質(QoL)を高めることを明らかにしたと発表した。この研究は、同大医学部附属病院総合臨床教育研修センターの加藤俊祐特任助教、糖尿病・内分泌内科の脇裕典教授らと中通総合病院糖尿病・内分泌内科の共同研究グループによるもの。研究成果は、「Diabetes Research and Clinical Practice」に掲載されている。

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2型糖尿病の治療薬であるチルゼパチドは、食欲を強く抑える作用をもつ。研究グループは、秋田大学医学部附属病院と中通総合病院でチルゼパチド治療を受けた2型糖尿病の患者95人を対象に、同剤が食事関連の生活の質(QoL)や糖尿病治療の満足度にどのような影響を与えるのかを調べた。
血糖値・体重改善に加え、「食事療法の受益感」も向上
研究の結果、血糖値の指標であるHbA1cは7.4%から6.4%へ、体重は77.2kgから70.6kgへと改善した。一方で、「食事療法の受益感」(食事療法をすることによって自分の健康や糖尿病の治療に役立っていると感じる度合い)が有意に向上した。統計解析の結果、この「食事療法の受益感」の改善は、体重減少と同じくらい、糖尿病の治療満足度の高さに関係していることがわかった。
食事療法に対する満足度の改善、治療継続にプラスとなる可能性
チルゼパチドは食欲を抑える作用を持つが、患者はこの治療によって「食事の楽しみが減る」というよりも、「食事療法によって健康的で糖尿病に良い影響がある」と前向きに感じていることが示された。これは、患者の生活の質を向上させ、治療を長く続ける上で大きな意味を持つ、と研究グループは述べている。
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