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人工知能を用いた血糖値予測システムを新たに開発-名大

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2019年04月09日 AM11:30

測定した血糖値データのみで30分後の血糖値を予測

名古屋大学は4月5日、測定した血糖値データのみで30分後の血糖値を予測する人工知能を用いたシステムを新たに開発したと発表した。この研究は、同大大学院工学研究科の新津葵一准教授らの研究グループによるもの。研究成果は、国際会議「IEEE AICAS 2019」で発表されている。


画像はリリースより

糖尿病患者は自力で血糖値を抑制することができないため、外部からインスリンを投与して血糖値を抑制する。しかし、インスリンの過剰投与は過度な低血糖を招き、高血糖以上の危険性がある。そのような状況を防ぐためにも、インスリンの過剰投与時に安全を確保するデバイスが必要だ。

血糖値制御のためには血糖値の予測が必要となる。既存製品では、糖分やインスリンの摂取量を計測した血糖値データと組み合わせて予測を行っている。一方、利便性向上のため、測定した血糖値データのみを用いた血糖値予測も注目を集めている。

涙液から発電・血糖値のセンシングを行うコンタクトレンズへの搭載を想定

今回研究グループは、人工知能技術の一種である機械学習を用いて、測定した血糖値データのみで30分後の血糖値を予測するシステムの開発に成功。予測には時系列予測に特化したニューラルネットワーク(人の脳機能を模した機械学習の一種)を用い、システムの稼働中学習と予測を交互に行うことにより、予測性能を向上させたという。

これまで、糖尿病患者の血糖値制御を支援する既存製品は、インスリンや糖分の摂取量を定期的に手動入力し、これらを計測した血糖値データと組み合わせて血糖値の予測を行っていた。このような手動入力を排除したという点から、同システムは利便性の面で向上している。

また、同システムは将来的な目標として、涙液から発電・血糖値のセンシングを行うコンタクトレンズへの搭載を想定しているが、これを達成すると、針を刺すことなく血糖値の測定と予測を行うことのできる一体的なシステムを実現することができる。今後、システムの低消費電力化を進め、完成度を高めていく予定。

今回の研究成果を受け、研究グループは「今後は低侵襲かつ利便性の高い血糖値予測システムの実現が期待される」と、述べている。(QLifePro編集部)

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