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東大 細胞の運動法則発見、医学への応用に期待

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2014年01月15日 PM04:15

多重極展開を用いて細胞の応力場の空間構造を解析

東京大学大学院 理学系研究科物理学専攻・谷本博一博士研究員(現ジャックモノー研究所・博士研究員)と同専攻・佐野雅己教授らの研究グループは1月6日、細胞運動の物理的な法則を発見したと発表した。

(画像はプレスリリースより)

運動は細胞の基本的な性質のひとつであり、この細胞運動の機構については、生物学的な立場からはすでに数多くの研究がなされている。しかし、物理学的な立場から、細胞運動の「原理」を探る試みは始まったばかりだという。

研究グループは、複雑なデータを座標の級数で展開することでその空間構造をいくつかの簡単な座標で代表させる「多重極展開」と呼ばれる手法を導入し、細胞の応力場の空間構造を解析した。

牽引力顕微鏡(Traction Force Microscopy)を構築し、典型的な運動性細胞である細胞性粘菌の応力場をナノニュートン・マイクロメートルの精度で計測。得られた測定結果を多重極展開に基づいて解析し、応力場の回転対称性と前後対称性それぞれの破れを特徴づける2つの指標を計算した。その結果、これらの2つの座標が細胞の運動性を決めていることが明らかになったという。

多細胞生物の応用に期待

細胞の運動法則を発見したこの研究手法は、他の生命現象へも応用が可能とされている。とくに発生過程で個々の細胞が空間的に協調して運動することで複雑な成体が形成される多細胞生物への応用が期待される。

プレスリリースでは

本研究は生物学・物理学の境界領域に属する数少ない研究であり、細胞の力と運動との関係を明らかにした初めての報告である。細胞運動は癌細胞の転移に代表される多数の疾患に関わっており、その原理の解明は、将来的には医学への応用へとつながるものと期待される。(東京大学 プレスリリースより引用)

と述べられている。(小林 周)

▼外部リンク

東京大学 プレスリリース
http://www.s.u-tokyo.ac.jp/ja/press/2014

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