医療従事者の為の最新医療ニュースや様々な情報・ツールを提供する医療総合サイト

QLifePro > 医療ニュース > 医薬品・医療機器 > 抗悪性腫瘍の薬であるパゾパニブ塩酸塩を発売

抗悪性腫瘍の薬であるパゾパニブ塩酸塩を発売

読了時間:約 1分7秒
2012年12月02日 PM09:13

抗悪性腫瘍の薬であるパゾパニブ塩酸塩が発売を開始

抗悪性腫瘍薬のパゾパニブ塩酸塩が薬価に収載されたため、発売を開始した。商品名はヴォトリエント錠200mgである。この薬はグラクソ・スミスクライン株式会社が開発し、2011年11月に希少疾病用の医薬品として指定を受けた。そして2012年9月に製造承認を取得している。

適応するのは悪性軟部腫瘍だけであり、用量は1日1回800mgで用法としては、食事1時間以上前又は食後2時間以降に経口投与である。



悪性軟部腫瘍というのは脂肪や筋肉、神経、血管などの軟部組織に発生する悪性の腫瘍のことであり、重篤な疾患として認識されている。2008年の時点で日本の患者は約3000人と推定されている。

(この画像はイメージです)

パゾパニブの試験では副作用も確認

これまで国内で使用されていた抗悪性腫瘍薬は、ドキソルビシン塩酸塩とイホスファミドである。しかしこれらの薬剤が使用できない患者や、治療後に進行してしまった場合には、他に使用できる薬剤がないという状態であった。そのため現場ではこうした状況でも使用できる薬の開発、承認が望まれていた。



パゾパニブは悪性軟部腫瘍に適応する、はじめての分子標的治療薬である。国際的に共同で行われた試験でプラセボと比較すると、無増悪生存期間を約3カ月間延長したということが確認された。

しかし患者の内91.3%に何らかの副作用があった、という結果も出ている。主な副作用というのは下痢や疲労、悪心、高血圧、毛髪変色、食欲減退、体重減少である。またそれ以外にも肝不全や肝機能障が認められていることから、投与する時には添付文書を確認する必要がある。

▼外部リンク

グラクソ・スミスクライン株式会社
http://glaxosmithkline.co.jp/press/press/2012_07/P1000753.html

 

同じカテゴリーの記事 医薬品・医療機器

  • 活動期潰瘍性大腸炎の1日1回経口治療薬「ベルスピティ」、国内承認-ファイザー
  • てんかん発作レスキュー薬「スピジア点鼻液」承認-アキュリスファーマ
  • 免疫性血小板減少症、メザギタマブが希少疾病用医薬品の指定取得-武田薬品
  • CLE・SLEの治療薬候補「エンパトラン」、第2相試験で良好な結果-メルク
  • オンボー、活動期クローン病に対する皮下注製剤を発売へ-リリーと持田製薬
  • あなたは医療関係者ですか?

    いいえはい