ランニングなどで発生のアキレス腱障害、アキレス腱にかかる負荷管理が重要
北海道大学は9月26日、ジャンプ着地時の指導方法の違いがアキレス腱負荷に与える影響を検討した結果を発表した。この研究は、同大大学院保健科学研究院の越野裕太氏らの研究グループによるもの。研究成果は、「Knee Surgery, Sports Traumatology, Arthroscopy」に掲載されている。

画像はリリースより
(詳細は▼関連リンクからご確認ください)
アキレス腱障害はランニングやジャンプを行う競技者に多く発生し、その予防やリハビリテーションにおいてはアキレス腱にかかる負荷の管理が重要とされている。
ジャンプ着地時指導方法の違い、アキレス腱負荷への影響は?5種の着地条件で検討
そこで今回の研究では、ジャンプ着地時の指導方法の違いがアキレス腱負荷に与える影響を検討した。同研究では、健康成人を対象に、5種類の着地条件(指導なしの自然条件、股関節屈曲を大きくする条件、膝関節屈曲を大きくする条件、着地音を小さくする条件、荷重位置を後方に寄せる条件)で両脚によるドロップジャンプを実施した。三次元動作解析と床反力計を用い、アキレス腱負荷、負荷率、関節角度、床反力を評価した。
アキレス腱のピーク負荷、「股関節屈曲を大きくする」条件で特に低下
研究の結果、全ての着地指導条件において、自然条件と比較してアキレス腱のピーク負荷が有意に低下した。特に「股関節屈曲を大きくする」条件では他条件より大きく低下し、同時に負荷率も減少した。
「足底荷重位置を後方に寄せる」条件、他の外傷リスクを高める可能性
一方、「足底荷重位置を後方に寄せる」指導ではピーク負荷は減少したものの、負荷率や床反力が増加し、硬い着地となることで他の外傷リスクを高める可能性が示唆された。
同研究の成果は、アキレス腱障害の予防やリハビリテーションにおける有効な着地指導法を示すものであり、特に「股関節を大きく屈曲する」指導が安全かつ効果的なアプローチであることを明らかにした、と研究グループは述べている。
▼関連リンク
・北海道大学 プレスリリース


