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IL10RA欠損症、日本の治療成績を明らかに-東京医歯大ほか

読了時間:約 1分44秒
2024年09月20日 AM09:30

乳児期早期にIBDを引き起こす先天性免疫異常症、唯一の根治療法はHCT

東京医科歯科大学は9月13日、IL10RA欠損症に対する国内治療成績を明らかにしたと発表した。この研究は、同大大学院医歯学総合研究科小児地域成育医療学講座の金兼弘和寄附講座教授、発生発達病態学分野の友政弾大学院生、東北大学、成育医療センター、大阪母子医療センター、京都大学、神奈川県立こども医療センター、群馬大学、九州大学の研究グループによるもの。研究成果は、「Journal of Clinical Immunology」にオンライン掲載されている。


画像はリリースより
(詳細は▼関連リンクからご確認ください)

IL10RA欠損症は、乳児期早期に炎症性腸疾患(inflammatory bowel disease:IBD)を引き起こす常染色体潜性遺伝の先天性免疫異常症(inborn errors of immunity:IEI)だ。その臨床経過はしばしば致死的で、唯一の根治療法は造血細胞移植(hematopoietic cell transplantation:HCT)だ。これまでの日本からの報告は症例報告に限られており、治療成績の実態については明らかになっていなかった。

日本では患者7例確認、そのうち5例でHCT実施

今回研究グループは、国内のIL10RA欠損症患者に関する情報を集約し、その臨床的特徴と予後について後方視的研究を実施した。日本ではこれまでにIL10RA欠損症の患者が7例確認されており、そのうち5例がHCTを実施されていた。HCTを受けていない患者のうち1例は保存療法で生存、もう1例はHCT前にインフルエンザ脳症で亡くなった。

HCTは全例2歳以下で実施、全例生存・パフォーマンスステータスも改善

なお、HCTは全例2歳以下で実施されていた。感染症がIL10RA欠損症に対するHCTの死因で最多とされている。1例がカテーテル関連血流感染症、1例がサイトメガロウイルス感染症を合併したが、適切なマネジメントにより重症例は認められなかった。移植片対宿主病(graft versus host disease:GVHD)もHCTにおける重要な予後不良因子だが、重症例は認められなかった。全例生存し、パフォーマンスステータスの改善が得られた。

早期診断の重要性示唆、合併症でHCTの機会を逃さないために

海外の報告ではIL10RA欠損症に対するHCT成績は生存率60~70%程度とされている。少数ではあるものの、日本のHCT成績は特筆すべきものと考えられる。HCTなしで長期生存が得られている症例も報告されているが、寛解を得られることはまれだ。合併症によりHCTの機会を逃さないために、早期診断の重要性が示唆される、と研究グループは述べている。(QLifePro編集部)

 

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