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【厚労省検討会】医薬品販売で遠隔管理案-距離制限めぐり意見割れる

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2023年07月19日 PM04:00

厚生労働省の医薬品の販売制度に関する検討会は14日、デジタル技術を活用し、販売店舗と有資格者が異なる場所に位置することが可能とする医薬品販売業のあり方をめぐり議論した。厚生労働省は、「管理店舗」で薬剤師などの資格者が遠隔で購入者からの相談や情報提供を行い、薬の受け渡しのみを行う「受渡店舗」で保管管理されている医薬品を提供する遠隔管理を提案した。管理店舗と受渡店舗の関係性をめぐり、同一法人や同一自治体の制限で賛否が分かれ、次回以降に整理する方向だ。

厚労省が示したデジタル技術を活用した遠隔販売の業務フローは、管理店舗で一部の業務のみを分離し、資格者による遠隔管理を行うというもの。例えば、管理店舗の有資格者が遠隔で購入者からの相談・情報提供に対応し、管理店舗の別の有資格者が相談や情報提供が適切に行われたかを確認・監査する。購入者は相談・情報提供後に、近隣店舗で確認証を提示し、保管している医薬品の提供を受ける。自動販売機による保管管理や受け渡しも想定している。

この日の検討会では、受渡店舗にも一定の要件を課し、都道府県による業許可が必要との意見で一致した。ただ、管理店舗と受渡店舗の関係性は、同一法人内に限定すべきかで意見が分かれたほか、距離制限でも緊急時対応の観点で許可主体は同一都道府県内と主張する意見に対し、「情報連携システムなどを活用すれば距離制限にこだわる必要はない」などと様々な意見が出た。

遠隔管理の問題点を整理するためには、実運用前に資格者が不在の時間に実験的に検証する「試験運用」が必要との声も上がった。

厚労省案に否定的な意見が出る中、花井十伍構成員(NPO法人ネットワーク医療と人権理事)は、「今回の厚労省案については現状から改善する可能性が高い。情報提供者とモノを渡してお金を受け取る人が分かれているので、薬剤師は店員をする必要がなく、純然たる情報提供をする仕事に集中できるスキームとなる。現状より良くなる可能性があるという前提で賛同したい」と語った。

落合孝文構成員(渥美坂井法律事務所・外国法共同事業)は、「規制改革の要望を受けて遠隔管理の議論している検討会だが、最終的に制度として整備をしたものの、結局使われないということもある」と述べ、積極的な検討を求めた。

 

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