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【厚労省】遠隔指導でも薬歴料算定可-薬が届いた後の確認等要件に

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2018年07月20日 AM10:15


■暫定措置、通知で明確化へ

厚生労働省は、愛知県、兵庫県養父市、福岡市の国家戦略特区で実施される遠隔服薬指導について、暫定的に調剤報酬の「薬剤服用歴管理指導料」を対面と同様に算定できる対応案を18日の中央社会保険医療協議会総会に示し、了承された。対面診療を継続して受けている患者が対象となる。オンライン服薬指導を実施し、患者に薬が届いた後にも改めて併用薬など必要な確認を行うことを算定要件とするほか、セキュリティ対策やお薬手帳の活用も求める方向。算定要件については速やかに疑義解釈の通知を発出して明確化したい考えだ。この日の総会では支払側委員から、対面とオンラインの調剤報酬が同額であることを問題視する声も出た。

オンライン服薬指導については、全国3区域の特区で事業計画が認められ、実証がスタートしているが、特区で実施されたオンライン服薬指導に関して調剤報酬を算定できるかどうかは明確になっていなかった。

厚労省は、オンライン上で服薬指導を行っても、薬歴の聴取や副作用に関する情報提供など、対面と同様に薬剤服用歴管理指導料の算定要件を満たすことができると判断。

継続して対面診療を受けている患者に対し、対面の服薬指導を行った薬局が引き続きオンライン服薬指導を実施し、要件を満たす場合は暫定的に算定できるとした。

ただ、オンライン服薬指導では、患者の手元に薬がない状態で説明を行うことになるため、暫定的に同指導料を算定する場合、郵送や宅配便等で薬が届いた後も改めて患者に必要な確認を行うことを要件として求める。また、セキュリティ対策を講じること、お薬手帳の活用を前提とすることも算定要件として求める。かかりつけ薬剤師指導料については、へき地などで訪問が難しい特区のオンライン服薬指導では、事実上要件を満たさないとした。調剤料等その他の調剤報酬は対面と同様に算定できるとの見解である。

厚労省は、オンライン服薬指導を行った場合の調剤報酬の算定要件について、速やかに疑義解釈等の通知を発出し、明確化に努めたいとしている。

この日、診療側の医師委員からは「あくまでも対面の補完であること」にクギを刺す意見が相次ぎ、支払側委員からは、オンライン服薬指導を実施した場合の調剤報酬の水準について指摘があった。

吉森俊和委員(全国健康保険協会理事)は「報酬の水準は議論の対象になっていない。対面に比べて効率化できるならば報酬を適正なものにすべき」と要求。幸野庄司委員(健康保険組合連合会理事)も「オンライン診療の診療報酬も対面と差がある。オンライン服薬指導の報酬も対面と差を付けるべき」と迫った。オンライン服薬指導に関する調剤報酬のあり方については、特区での実証事業を踏まえ、本格的な検討時に改めて議論する方向だ。

 

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