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再発・難治性ALLとDLBCLに対する新しい免疫細胞療法「CAR-T細胞医療」の承認を申請-ノバルティス

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2018年04月25日 PM12:15

治療選択肢が限られ、予後不良の再発・難治性ALLとDLBCL

ノバルティス ファーマ株式会社は4月23日、2つの適応について、キメラ抗原受容体T細胞医療(CAR-T細胞医療)である「」(国際一般名:tisagenlecleucel、海外における製品名:「Kymriah(TM)」)の再生医療等製品製造販売承認申請を行ったと発表した。今回の申請は、小児を含む25歳以下のCD19陽性再発または難治性のB細胞性急性リンパ芽球性白血病()、および成人のCD19陽性再発又は難治性のびまん性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL)の治療を対象としたもの。なお、同申請は日本国内における初めてのCAR-T細胞医療の製造販売承認申請となる。

ALLは最も高い頻度で見られる小児がんであり、ALLと診断される患者の60%が20歳未満で発症する。日本におけるALLの総患者数は約5,000人と報告されており、患者の約20%で再発がみられる。再発・難治性のB細胞性ALL患者は、化学療法や放射線、標的療法、同種造血幹細胞移植など複数の治療を受けるが、それらの有効性が持続しない場合の予後は不良と報告されている。

DLBCLは最も高い頻度で見られるリンパ腫で、日本におけるすべての非ホジキンリンパ腫症例の約30~40%を占めている。日本におけるDLBCLの総患者数は約2万1,000人と報告されている。そのうち約33%は一次治療に奏効を示さず、再発するか、もしくは難治性に移行。二次治療以降は、自家造血幹細胞移植(ASCT)以外は救援化学療法の選択となり、治療法が限られてくる。そのためASCTに適さない、あるいはASCT治療から1年以内に再発した再発・難治性のDLBCL患者の予後は不良で、平均余命は4.4~6.3か月とされている。

高度に個別化された画期的な免疫細胞療法「CTL019」

CAR-T細胞医療であるCTL019は、一人ひとりの患者に合わせて製造され、既存の典型的な低分子または生物学的療法とは異なる。患者自身の血液からT細胞を採取し、がん細胞やその他の細胞に発現するCD19を特異的に認識。それによりがん細胞を攻撃するよう遺伝子を導入した免疫細胞医療で、同剤の単回投与で治療を行う。また、CAR-T細胞の増殖・維持を増強するために、4-1BB共刺激ドメインをキメラ抗原受容体内に使用している。

ノバルティスとペンシルベニア大学は、2012年にCTL019を含むがんの臨床開発に向けて、CAR-T細胞医療の研究・開発・製品化のための国際的な協力契約を締結。今回の承認申請は、同大と協働で行われている同社の国際多施設共同第2相ELIANA試験およびJULIET試験に基づいて行われた。また、日本での承認申請は、米国と欧州に続くものとなる。

なお、2016年5月、日本国内においてCTL019は、CD19陽性B細胞性急性リンパ芽球性白血病、CD19陽性びまん性大細胞型B細胞リンパ腫、CD19陽性濾胞性リンパ腫の適応に対して、希少疾病用再生医療等製品の指定を受けている。

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