■文書の情報提供は70%前半
厚生労働省は1日、2014年度の「医薬品販売制度実態把握調査」(覆面調査)結果を公表した。今回は、昨年の医薬品医療機器等法(薬機法)の施行によって新設された要指導薬や、ルールが整備された一般薬のインターネット販売の遵守状況を調べていることが特徴。第1類販売時の際、店舗では93・8%が情報提供を行っていたのに対し、ネット販売(サイト)は53・2%にとどまっていた。
調査は、薬局・薬店が店舗やインターネットで一般薬が適正に販売されているかどうかを把握するため、調査員が消費者を装って実施しているもの。今回は、全国5096の薬局・店舗、496のインターネット販売サイトを対象とした。
要指導薬の購入に当たっては、薬剤師が購入者が使用者本人であるかを確認することが義務づけられているが、本人確認を行った店舗は80・1%。販売時に年齢や症状、他の医薬品の使用状況などを確認した店舗は89・5%だった。
また、情報提供を行っていた店舗(96・1%)のうち、販売制度で義務づけられている「薬剤師による文書での詳細な説明」を行っていた店舗は72・9%だった。
第1類販売時に情報提供を行っていた店舗は93・8%のうち、「薬剤師による文書での詳細な説明」を行っていた店舗は70・1%で、前年度の67・5%からわずかに改善した。
ただ、要指導薬、第1類とも、薬剤師による文書を用いての情報提供は70%台前半にとどまっており、80%の壁を超えるには、もう少し時間がかかりそうだ。
ネット販売については、販売ルールが整備されたことを受け、ホームページにリスク分類に関する定義・解説が記載されていたサイトが前年度の64・0%から93・8%、第1類販売時にメールで問い合わせを行い、返信があったサイトが前年度の54・7%から92・1%に上昇するなど、遵守状況は大きく改善している。
ただ、第1類薬販売時の情報提供の有無を調べた結果では、53・2%しか遵守していないことが分かった。
厚労省は、「まだ改善の余地がある。引き続き、自治体や関係団体と連携して販売制度の定着に努めていきたい」とした。