医療従事者の為の最新医療ニュースや様々な情報・ツールを提供する医療総合サイト

QLifePro > 医療ニュース > 医療 > 慢性肉芽腫症患者に対して造血幹細胞遺伝子治療を実施-成育センター

慢性肉芽腫症患者に対して造血幹細胞遺伝子治療を実施-成育センター

読了時間:約 49秒
2014年11月14日 PM03:00

国内初、原発性免疫不全症では2疾患目

国立成育医療研究センターは11月7日、慢性肉芽腫症患者に対する造血幹細胞遺伝子治療を行ったと発表した。これは、国内初の慢性肉芽腫症患者に対する遺伝子治療で、原発性免疫不全症に対する造血幹細胞遺伝子治療としては2疾患目。


画像はプレスリリースより

20歳代男性のX連鎖慢性肉芽腫症患者に対する造血幹細胞遺伝子治療は、7月22日に実施された。患者の末梢血から採取した造血幹細胞に、レトロウイルスベクターを用いて正常な遺伝子を入れ、再び患者の身体に戻すという方法で行われたという。その結果、重度の感染症は改善し、患者は退院。重篤な副作用も認められていないとしている。

内科的治療では改善みられず

男性患者に対しては、複数の抗生剤等を使用した内科的治療が行われてきたが、多臓器にわたる感染症は改善がみられなかった。造血幹細胞移植を行うためのドナー検索も数年にわたり実施したものの、見つからなかったという。

同センターは、今後も継続して造血幹細胞遺伝子治療を行っていくとし、リリースでは「今回の遺伝子治療が、慢性肉芽腫症に対する新たな治療法として確立することを期待するのみでなく、我が国の遺伝子治療の発展に少しでも役立つことを祈念しています」と述べられている。

▼外部リンク
国立成育医療研究センター 臨床・研究トピック

 

同じカテゴリーの記事 医療

  • 抗がん剤ヒドロキシウレア、小胞体還元ストレス緩和作用を発見-名古屋市大ほか
  • 血友病の新治療に道筋、肝類洞血管を再現する肝臓オルガノイド開発-科学大
  • 「前糖尿病」発症リスク、健康的な生活習慣の継続で2割減-横浜市大
  • 世界初の尿管オルガノイド作製に成功、腎移植医療への応用に期待-熊本大
  • 肝線維化を促進する細胞間ネットワーク、オステオポンチン連鎖反応を発見-東邦大ほか
  • あなたは医療関係者ですか?

    いいえはい