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赤ちゃんにはちがいがわかる

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2013年04月18日 PM08:13

乳児の腰部の触覚を測定

ユニ・チャーム株式会社と長崎大学の共同研究グループは、乳児の脳がおむつのちがい、すなわち触感のちがいを区別でき、さらに気持ちよさを実感していることを明らかにした。

乳幼児が外界の感覚刺激に認知・情動能力で反応していることは知られているが、触覚については研究がほとんどない。今回、乳幼児が日常的に触れている紙おむつを用いて、素材の触感を区別できるのか、どう感じているのかを脳機能計測で検証した。

健康な2~6か月の乳児26名(男12名、女14名)の左腰部に触刺激を与えて、前頭前野の活動を調べた。触刺激に素材風合いの異なる2種類の素材サンプルで30秒間、2回繰り返し与えた後、NIRS(=ニルス/近赤外線分光法)で酸化ヘモグロビン量を測定した。その結果、1つのサンプルに対して左腰部の脳の血流量が6倍と有意に高い数値となった。

これは乳児がおむつを装着する腰部で素材の触感のちがいを感じ取っていることを示している。前頭前野の眼窩前頭皮質には報酬系(快の情動、認識を担う神経系)の役割があることから、他のサンプルより触感を気持ちよいと感じていると言える。

理想的な触感は母親の手のひら

研究グループは、胎内で指しゃぶりをすることからも触覚が早く発達すると考え、今回の研究で生後数か月から触覚が発達し、繊細な感受性をもつことを実証した。

また追加試験から、母親が手のひらでなでたときの触覚刺激が乳児にとって気持ちよく感じる触感だとわかった。これまでの研究でスキンシップを多くとると母子間の愛着の形成が促進されることが確認されているので、乳児には母親のスキンシップが理想的な触感ではないかと結論づけている。母親のスキンシップに限りなく近づけた素材の追求が乳児の触覚に応えることになろう。(馬野鈴草)

▼外部リンク

@Press ユニ・チャーム株式会社
http://www.atpress.ne.jp/view/34487

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