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OSA患者のRRLMs頻度、重症度や死亡リスクと関連-埼玉県立大ほか

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2025年12月16日 AM09:20

RRLMsの頻度と死亡率・心血管疾患との長期的な関連性は不明だった

埼玉県立大学は11月28日、閉塞性睡眠時無呼吸(OSA)における呼吸イベント関連下肢運動(RRLMs)の頻度と死亡率との関連性を検討し、その結果を発表した。この研究は、同大保健医療福祉学部 健康開発学科の有竹清夏教授と米国Havard Medical SchoolのJohn Winkelman教授らの研究グループによるもの。研究成果は、「SLEEP」に掲載されている。


画像はリリースより
(詳細は▼関連リンクからご確認ください)

RRLMsは睡眠中の無呼吸や低呼吸といった呼吸イベントが終わった直後に、脚とりわけ下肢がピクッと動く、短い不随意運動のことを指す。これはOSAにおいて一般的にみられ、呼吸イベントの重症度を反映する可能性がある。先行研究で、RRLMsが健康に不利益な転帰と関連する可能性が示唆されているが、死亡率や心血管疾患との長期的な関連性は依然として明らかではない。

そこで研究グループは今回、OSAにおけるRRLMsがイベントの重症度を反映し、転帰不良を予測する可能性を考え、RRLMの頻度と死亡率との関連を検討した。

無呼吸低呼吸指数≧10イベント/時だった571人の男性を調査

研究では「Osteoporotic Fractures in Men(MrOS)研究」の参加者のうち、死亡データとRRLMのアノテーションが利用可能で、無呼吸低呼吸指数(AHI:3%酸素飽和度低下基準)≧10イベント/時だった571人の男性(年齢中央値[IQR]:76.0[72.0-81.0]歳、BMI:28.0[25.0-30.0]kg/m²)を対象とした。

RRLMは、呼吸イベント終止の±5秒以内に出現し、0.5~10秒持続した場合にスコア化し、睡眠1時間あたりの平均出現数から呼吸イベント関連下肢運動指数(RRLMI)を算出した。比較のため、睡眠中の周期性下肢運動指数(PLMI)も算出。Cox比例ハザードモデルを用いて、RRLMIおよびPLMIの1SD増加あたりの死亡率の調整済みハザード比(aHR)を推定した。二次解析では、RRLMの持続時間(強さの指標)が、酸素飽和度低下面積、覚醒反応、心拍数反応、イベント持続時間などの呼吸イベントの重症度指標と関連するかを検討した。

RRLMsの頻度が総死亡・CVD関連死亡のリスク上昇と有意に関連

追跡期間中央値11.4[6.9-12.5]年の間に、287人が全死亡を示した。RRLMIおよびPLMIの中央値はそれぞれ6.0[3.4-9.3]、22.0[2.0-54.0]イベント/時だった。調整前のKaplan-Meier曲線では、RRLMIが高い参加者と低い参加者を比較した場合、全死亡(p = .002)および心血管疾患(CVD)関連死亡(p = .01)の発生確率に有意差が認められた。調整済みモデルでは、RRLMIが1SD増加するごとに全死亡率の上昇と関連した(aHR:1.17[95%CI:1.01-1.34]、p = .03)。

RRLMの持続時間は複数の呼吸イベント重症度指標と関連

一方、PLMIは死亡率と関連しなかった(aHR:1.04[95%CI:0.92-1.17]、p = .50)。また、RRLMの持続時間は複数の呼吸イベント重症度指標と正の関連を示した。OSAを有する高齢男性のコホートにおいて、RRLMの負荷が高いことは死亡リスクの上昇と関連したが、周期性下肢運動は関連しなかった。RRLMの特徴は呼吸イベントの重症度を反映する指標となり、睡眠呼吸障害における臨床的に重要なバイオマーカーとなる可能性がある。

RRLMsのモニタリングが、OSA患者管理・治療戦略の向上に寄与する可能性

今回の研究成果により、OSA患者において、RRLMsの頻度が総死亡・CVD関連死亡のリスク上昇と有意に関連していることが示された。また、RRLMの持続時間が呼吸イベントの重症度を示す指標と関連していることも示された。

研究グループは「RRLMsのモニタリングは、重症OSAの識別や転帰不良の予測に有用であり、患者管理および治療戦略の向上に寄与する実践的アプローチとなり得る」と、述べている。(QLifePro編集部)

 

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