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子どもの「スマホ所有」、コロナ禍でメンタルヘルス悪化のリスク因子の可能性-弘前大

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2021年11月26日 AM11:30

子どものスマホの所有/非所有に着目し、メンタルヘルスへの影響を調査

弘前大学は11月24日、新型コロナウィルス感染症(COVID-19)パンデミック下において、低年齢層でのスマート・フォン所有がメンタルヘルスのリスク因子となっている可能性があることを発表した。この研究は、同大大学院保健学研究科/医学部心理支援科学科の足立匡基准教授、髙橋芳雄准教授、教育学部の新川広樹助教、医学研究科附属子どものこころの発達研究センターの森裕幸特任助手らの研究グループによるもの。研究成果は、「Social Psychiatry and Psychiatric Epidemiology」に掲載されている。


画像はリリースより

COVID-19パンデミックは、世界中のあらゆる場所で青少年の生活に影響を与えているものと考えられる。感染率を下げるための公衆衛生上の予防措置として、学校や公園、スポーツ施設やレクリエーション施設を閉鎖するなどの隔離政策がとられてきたが、これらの影響から、青少年がコミュニケーションや教育のためのツールとしてスマート・フォンやタブレット、PCを使用することを余儀なくされている。COVID-19パンデミック以前においてもスマート・フォンの過剰な使用が青少年のメンタルヘルスに悪影響を及ぼすことが繰り返し指摘されてきており、パンデミック下においては、より深刻な影響を及ぼしている可能性が推察されていた。

そこで研究グループは、スクリーンタイムの上昇に最も寄与していると考えられるデバイスであるスマート・フォンの所有とパンデミック下における青少年のメンタルヘルスの関係性について精査することを目的として調査を行った。

コロナ流行下の2時点で、所有群の抑うつ症状得点が非所有群より有意に高い

調査はCOVID-19パンデミックの影響の無かった2019年9月(Time 0)を起点として、COVID-19パンデミック下の2020年7月(Time 1)、2020年12月(Time 2)、2021年3月(Time 3)の4時点で行われた。対象者は、Time 0の時点で小学4年生から中学1年生に在籍していた児童生徒とその保護者5,204組。このうち有効回答が得られたのは4,227組(回答率:81.2%)であった。児童生徒本人に対して、Time 0からTime 3の4時点において、それぞれの時点における自身の抑うつ症状得点の評価を求めた。保護者に対してはTime 1の時点で子ども専用のスマート・フォンの所有・非所有について回答を求めた。

解析の結果、所有群の抑うつ症状が研究期間を通して一定水準に維持される一方で、非所有群では抑うつ症状が経時的に改善する傾向が観察され、Time 1、2の時点で両群間の抑うつ症状に有意な差がなかった。しかし、Time 2、3では、所有群の抑うつ症状得点が非所有群に比べて有意に高い、という結果が示された。この傾向は、調査対象のうち最も低年齢である小学4年生で最も顕著だった。これらのことから、COVID-19パンデミックによる新しい生活様式において、低年齢でのスマート・フォン所有がメンタルヘルスのリスク因子となっている可能性が明らかになった。

単に利用時間等を制限するだけの対策でなく、背景因子の探索的検討が必要

研究の限界として、スマート・フォン所有・非所有そのものが抑うつ症状に直接的に影響を与えたか否かは不明であることを考慮しなければならない。スマート・フォンを早期に所有すること(保護者が子どもに与えること)と抑うつ症状の増加とに共通する背景要因が働いており、その要因が作用した可能性も否定できない。例えば、先行研究において、保護者のスマート・フォン利用の時間が長い家庭ほど、子どものスマート・フォン所有の時期が早くなり、保護者のスマート・フォン依存傾向が高い場合、その家庭の子は家庭機能の低下から、メンタルヘルスが悪化する傾向にあることが確認されている。

「家庭機能等の背景因子を考慮した場合、メンタルヘルス悪化の予防策として、子どものスマート・フォン利用時間等を制限するだけでは十分でない。このような背景因子の探索的検討は今後の課題である」と、研究グループは述べている。

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