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【風疹流行に関する緊急情報】2019年第1~38週の累積患者報告数は 2,196人-感染研

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2019年10月01日 PM06:20

報告が多いのは東京、神奈川、千葉、埼玉、大阪

国立感染症研究所は10月1日、「風疹流行に関する緊急情報:2019年9月25日現在」を、同研究所のウェブサイトに掲載した。

2019年第38週(9月16日~9月22日)に風疹と診断され報告されたのは6人。遅れ報告も含めると、第1~38週の風疹累積患者報告数は2,196人となり、第37週の2,190人から6人増加した。この人数に関し同研究所は、第38週に診断されていても、2019年9月26日以降に遅れて届出のあった報告は含まれないため、直近の報告数の解釈には注意が必要だとコメントしている。

地域別に見ると、100人以上報告された都府県は、東京都(827人:第37週から2人増加)、神奈川県(275人:第37週から1人増加)、千葉県(195人:第37週から増加なし)、埼玉県(190人:第37週から1人増加)、大阪府(126人:第35週から増加なし)。第38週は上記都府県以外に、複数人報告された自治体はなかった。人口100万人あたりの患者報告数は全国で17.3人であり、東京都が61.2人で最も多く、島根県44.7人、佐賀県38.4人と続いた。関東地方からの報告数が1,523人(69%)で最も多いが、近畿地方から243人(11%)、九州地方から165人(8%)、中部地方から114人(5%)、中国・四国地方から93人(4%)、北海道・東北地方から58人(3%)が報告された。報告がないのは青森県、高知県の2県。

医療従事者等、配慮が必要な職種でも

症状(重複あり)は、多い順に発疹2,166人(99%)、発熱1,948人(89%)、リンパ節腫脹1,270人(58%)、結膜充血1,028人(47%)、咳545人(25%)、関節痛・関節炎523人(24%)、鼻汁477人(22%)、血小板減少性紫斑病7人(0.3%)、脳炎1人(0.05%)だった。その他として、咽頭痛39人、頭痛37人、倦怠感 22人、下痢・水様便・軟便10人、硬口蓋/口蓋粘膜の点状出血8人、血小板減少6人、白血球減少3人、肝炎・肝機能障害3人、髄膜炎1人、肺炎1人等が報告された。発熱、発疹、リンパ節腫脹の3主徴全てがそろって報告されたのは1,139人(52%)だった。

2018年1月から届出票に追加された職業記載欄では、会社員と記載されていた人が813人(37%)と最も多いが、配慮が必要な職種として医療関係者が32人(看護師10人、医療事務5人、薬局勤務4人、医師3人、作業療法士2人、看護助手2人、歯科医師1人、薬剤師1人、歯科助手1人、歯科医院勤務1人、検査技師1人、医療従事者1人)、保育士が13人、教職員が16人、警察官・警察署員が10人、消防士・消防署員が7人、自衛官・自衛隊員が7人報告された。

予防指針では令和2年度までに風疹の排除達成が目標

先天性風疹症候群は、2019年第4週・第17週・第24週に各1人、合計3人が報告された。報告都道府県、および推定感染地域はともに、埼玉県、東京都、大阪府。性別は男3人、母親のワクチン接種歴は、有り(回数1回、接種年不明、種類不明)が1人、不明2人。母親の妊娠中の風疹罹患歴は不明が2人、なしが1人。

(厚生労働省告示第百二十二号:平成26年3月28日)」では、「早期に先天性風疹症候群の発生をなくすとともに、令和2年度までに風疹の排除を達成すること」を目標としている。先天性風疹症候群の発生を防ぐためには、妊婦への感染を防止することが重要であり、妊娠出産年齢の女性及び妊婦の周囲の者のうち感受性者を減少させる必要がある。また、現在の風疹の感染拡大を防止するためには、30~50代の男性に蓄積した感受性者を早急に減少させる必要がある。このため厚生労働省は2019年~2021年度末の約3年間にかけて、これまで風疹の定期接種を受ける機会がなかった1962年4月2日~1979年4月1日生まれの男性(現在40歳4か月~57歳4か月)を対象に、風疹の抗体検査を前置した上で、定期接種(A類)を行うことを発表した。

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