医療従事者の為の最新医療ニュースや様々な情報・ツールを提供する医療総合サイト

QLifePro > 医療ニュース > 医療 > 多感覚刺激に対する大脳皮質の新たな神経応答発見-理研

多感覚刺激に対する大脳皮質の新たな神経応答発見-理研

読了時間:約 1分18秒
このエントリーをはてなブックマークに追加
2018年03月16日 PM02:00

情報を正確に素早く得る手段である知覚情報の統合

理化学研究所は3月14日、多感覚刺激に対する大脳皮質の新たな神経応答を発見したと発表した。この研究は、理研脳科学総合研究センター行動遺伝学技術開発チームの糸原重美チームリーダー、黒木暁リサーチアソシエイト、吉田崇将客員研究員、細胞機能探索技術開発チームの宮脇敦史チームリーダー、早稲田大学大学院先進理工学研究科生命医科学専攻の大島登志男教授らの共同研究グループによるもの。研究成果は「Cell Reports」に掲載されている。


画像はリリースより

複数の知覚情報の統合は、外界の情報を正確に素早く得る手段であり、高次脳機能の根幹をなす。これまで大脳皮質の多くの領域において、複数種類の感覚刺激()に対する応答が報告されていた。しかし、これらの領域がどのように連携して感覚情報を統合しているのかは不明だった。

感覚刺激がない状態でも「」を観察

研究グループは、信頼性の高い光学シグナルを興奮性細胞もしくは抑制性細胞選択的に発する遺伝子改変マウスを新たに作製。感覚刺激がない状態と多感覚刺激を与えた状態での、大脳皮質全体の活動を解析した。

その結果、1ヘルツ以下の「徐波」と呼ばれる遅い神経振動活動が興奮性ネットワークでも抑制性ネットワークでも明確に観察されたという。この徐波は、感覚刺激がない状態でも観察され、その流れの中で、大脳皮質連合野の正中・頭頂領域が「ハブ」のような特徴を示したとしている。また、感覚刺激によって、このハブ様領域を中心に大脳皮質全体で、徐波が刺激試行ごとにそろう現象()を発見。この現象は、興奮性ネットワークのみで起こり、多感覚刺激によって、より正確に揃ったという。

今後、位相同期が個体の行動・学習にどう影響するのか、大脳皮質以外の脳領域とどのように連携しているのか、明らかになると期待される。研究グループは、「多感覚情報の統合機能の異常は発達障害と密接に関係するため、本研究の知見や手法を応用することで、発達障害のメカニズム解明や治療へつながると期待できる」と述べている。

このエントリーをはてなブックマークに追加
 

同じカテゴリーの記事 医療

  • 食物に無意識で「おいしそう」などと感じる脳内メカニズムを解明-京大
  • ヒト組織を長期に拒絶せず受け入れるブタモデルの作成に成功—慶大ら
  • 脳梗塞慢性期の抗血小板薬併用療法で脳梗塞再発予防効果向上−国循
  • インフルエンザウイルス感染時の解熱の必要性を明らかに-東北大
  • パーキンソン病の発症・進行を抑制する新規核酸医薬を開発-阪大ら