6,725人対象、ラーメン摂取頻度4段階分類で死亡率との関係を追跡調査
山形大学は8月15日、ラーメンの摂取頻度と死亡リスクの関連について、6,725人を対象とした大規模な疫学研究の結果を発表した。この研究は、同大医学部公衆衛生学・衛生学講座、山形県立米沢栄養大学健康栄養学科の鈴木美穂講師(主任研究者)らの共同研究グループによるもの。研究成果は、「The Journal of Nutrition, Health and Aging」に掲載されている。
ラーメンは多くの人に親しまれている食べ物である一方で、塩分が多いことが知られている。そこで今回の研究では、ラーメンをよく食べる人の健康リスクについて調べた。具体的には、山形コホート研究のデータをもとに、ラーメンの摂取頻度を「月1回未満」から「週3回以上」まで4段階に分類し、死亡率との関係を追跡調査した。
ラーメン週3以上で死亡リスク1.52倍高
研究の結果、頻回(週3回以上)なラーメン摂取は、高BMI、喫煙、飲酒、糖尿病、高血圧との関連が認められた。背景因子の調整後の解析では、全体としては統計的有意性は得られなかったものの、週3回以上の摂取群で死亡リスクが1.52倍高い傾向が見られた。
スープ半分以上を飲む群など、死亡リスク上昇
サブグループ分析では、特に、70歳未満の群、アルコール摂取群、麺のスープを半分以上を飲む群で、死亡リスクの上昇が見られた。
今回の研究結果から、ラーメンは日本文化の一部とも言える食品である一方で、状況によっては、ラーメンの頻回な摂取は、食塩の過剰摂取を通して、健康に悪影響を及ぼす可能性があることがわかった。同研究は、国民食ともいえるラーメンを楽しむ際には、頻度やその食べ方に気をつけることの必要性を示している、と研究グループは述べている。
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・山形大学 プレスリリース


