一般名が類似する医薬品の取り違えでは、薬局が「【般】一硝酸イソソルビド錠20mg(一般名)」の処方箋を受け付け、狭心症治療薬「アイトロール錠」(一硝酸イソソルビド)を調剤すべきところ、虚血性心疾患治療薬「フランドル錠」(硝酸イソソルビド)と取り違え、調剤・交付した事例が報告されている。
PMDAは一般名同士の類似例として、アテノロールとアロチノロール塩酸塩、アトモキセチン塩酸塩とアモキシシリン水和物、エスゾピクロンとエスタゾラム、エスタゾラムとエチゾラムなどを列挙。一般名が類似する医薬品が存在することを認識した上で、名称を確認するよう求めた。
また、同じ有効成分でも効能・効果等が異なる注意すべき薬剤について、サラゾスルファピリジン錠(効能・効果:潰瘍性大腸炎)とサラゾスルファピリジン腸溶錠(関節リウマチ)などの例を挙げ、一般名処方をする時や代替薬の検討・提案時、調剤・監査時には、最新の添付文書の「販売名」「一般的名称」と共に、「効能・効果」「用法・用量」などを見て適切な処方内容であるか確認するよう要請した。
ブランド名と一般名の類似例による薬剤取り違えでは、医師が入院処方で高リン血症治療剤「カルタン錠」をオーダする際、「カルタ」と入力したところ、カルタン錠が採用されていなかったため、前立腺癌治療剤のビカルタミド錠が候補として挙がり、患者に不要な抗癌剤を処方した事例が報告されている。
ブランド名同士でも糖尿病治療薬「アクトス」と骨粗鬆症治療薬「アクトネル」など取り違え事例があり、選択的β3アドレナリン受容体作動性過活動膀胱治療剤の「ベオーバ」「ベタニス」は薬効分類は同じでも、「警告」「禁忌」などの注意喚起が異なるため、名称を確認するよう求めた。
PMDAは、名称類似による取り違え防止に処方オーダリングシステムを活用するよう推奨している。