福井県は、抗真菌薬「イトラコナゾール錠」に睡眠導入剤が混入した問題で116日の業務停止命令を出した小林化工に対し、医療上の必要性が高く、代替品対応が困難な4成分9品目を業務停止命令から除外すると発表した。厚生労働省との協議のもと、これら品目については安定供給に支障がなくなるまでの間に限り、製造や出荷を認める。
第1種医薬品製造販売業務における除外品目は、バンコマイシン塩酸塩点滴静注用0.5g「MEEK」、同1.0g「MEEK」、注射用ナファモスタット10「MEEK」、同50「MEEK」、同100「MEEK」、バルプロ酸ナトリウム細粒20%「EMEC」、同40%「EMEC」の3成分7品目。
MRSA感染症の第一選択薬で市場シェアが極めて高いバンコマイシンと、急性膵炎、人工透析時の血液凝固防止などに使われ、使用量が増加しているナファモスタットは代替品での対応が困難であることを理由に、業務停止命令の除外品目となった。
また、抗てんかん薬のバルプロ酸ナトリウム細粒は、細粒製剤の後発品が同剤のみで市場シェアが高く、代替品での対応が困難であると判断され、除外対象となった。3成分7品目については、他社の製造所で製造・試験を行っており、「品質に問題はない」としている。
同社矢地工場での製造業務における除外品目として了承されたのは、テモゾロミド錠20mg「NK」、同100mg「NK」の1成分2品目。脳腫瘍の治療で推奨されている抗癌剤で、後発品は同剤のみ。市場シェアが極めて高く、代替品での対応が困難であることから医療上の必要性が高いと判断された。他社の製造所で製造を開始するまでの間に限るとした。製造販売する日本化薬が品質を保証し、製造中は同社が立ち会って確認するとしている。