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約9割が「白血病は不治の病」と回答、映画やテレビドラマの影響大-アッヴィ

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2019年11月29日 AM11:15

「医師から告げられる余命は5年未満」8割以上が予想

アッヴィ合同会社は11月27日、「白血病に関するイメージ・認識調査」の結果を発表した。調査は、2019年10月に20~60歳未満の男女518人(男性261人、女性257人)を対象に実施された。結果は以下の通り。

・白血病に対して「不治の病」のイメージをもっていますか?-とてもある23.4%、ややある65.8%、まったくない10.8%
・白血病の発症率が最も高いのはどの年齢層だと思いますか?-10代未満4.2%、10~20代55.6%、30~40代28.6%、50~60代9.5%、70代以上2.1%
・白血病と診断された場合、余命はどれくらいと医師から告げられると思いますか?-3か月未満0.6%、3~6か月未満7.1%、6か月~1年未満25.7%、1~3年未満33.6%、3~5年未満17.8%

「白血病は不治の病」というイメージを抱いている人に対し、そのイメージはどこからきているのかを質問したところ、最も多かった回答は「映画やテレビドラマ(51.7%)」だった。回答者を年代別で見ると、男女とも20 代は他の年代に比べて「テレビのドキュメンタリー・健康番組を見て」と回答した人の割合が高かったという。

仕事と治療を両立する患者が増える一方、「職場に伝えるのは抵抗がある」と約7割が回答


画像はリリースより

また、この調査には白血病と診断された場合の職場への報告に関する質問や、治療イメージに関する質問も含まれた。

・白血病と診断されたことを職場の人に伝えることに抵抗があると思いますか?(n=518)-とても抵抗がある29.7%、まあまあ抵抗がある42.5%、あまり抵抗がない19.7%、まったく抵抗がない8.1%
「抵抗がある(n=374、計72.2%)」人の理由は、回答が多い順に「同僚から不幸だと思われたくない(46.5%)」「辞めさせられるから(18.4%)」「仕事が減る/減給される(14.7%)」だった。

・白血病の治療はどのように進められると思いますか?-治るまで入院を続けなければいけないと思う31.9%、治るまで入退院を繰り返し、いつまで続くか分からない60.2%、通院のみだが、薬をずっと服用し続けていかなければならない5.8%、通院のみで、決まった期間服用するだけ良い可能性がある2.1%

白血病治療に対して持っているイメージについては、「髪の毛が抜ける(71.4%)」「外出ができなくなる(60.6%)」「白血病の治療には入院が伴い、外出が困難になる」というイメージをもっている人が多いことが示唆された。

同調査結果について、特定非営利活動法人血液情報広場つばさの橋本明子理事長は、次のように述べている。「映画やテレビの影響もあり、白血病は不治の病、診断されてからの余命は5年未満という印象を多くの方が持たれていることがわかった。しかし2006~2008年に白血病と診断された人の5年生存率は男性37.8%、女性41.3%であるとされ、今だからこそ「白血病を誤解していませんか?」と問える時がきた。一方、白血病を含むがんに罹る日本人の割合が2人に1人といわれるこの時代に、「白血病であることを職場の人に伝えることをためらうと思う」と回答した方の割合は7割で、その理由の多くは「不幸と思われたくない」、「これまで通り仕事を続けていくことは難しいと思うから」という回答だった。近年は、白血病を取り巻く環境が大きく変わってきており、通院により白血病の治療を続けながら、仕事を両立している患者も増えてきている。その変化を多くの方に知っていただき、白血病患者やその家族が安心して治療と生活を両立していける社会になっていくことを願っている」

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