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抗炎症性脂質メディエーター「レゾルビンD2」を用いた歯根治療法を開発-岡山大

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2019年02月26日 AM11:45

高齢者の全身に悪影響をもたらす根尖性歯周炎

岡山大学は2月21日、抗炎症性脂質メディエーターのひとつである「」に、歯の神経の病気である根尖性歯周炎の治癒を促進させる新たな効果があることを発見したと発表した。この研究は、同大大学院医歯薬学総合研究科歯周病態学分野のYasir Dilshad Siddiqui大学院生、高柴正悟教授、山城圭介助教、同大病院歯周科の大森一弘講師、同大病院新医療研究開発センターの伊東孝助教(現・厚生労働省)、米Forsyth研究所の ThomasE.Van Dyke教授らの研究グループによるもの。研究成果は「Frontiers in Immunology」に掲載されている。


画像はリリースより

超高齢社会を迎えた日本において、口の病気を罹患する高齢者数が増加する傾向にある。その中でも重度のむし歯の進行に伴って発症し、顎骨を壊す根尖性歯周炎の発症は、免疫力が低下した高齢者などにとって、全身状態に悪影響をおよぼすリスクが高い疾患に分類される。根尖性歯周炎に対する一般的な治療法として歯内療法(歯の神経の治療)があるが、技術的に難易度が高く、成功率に術者間で差が生じるというのが現状だ。また再発率も高く、世界中で大きな問題となっている。

歯根の先端を閉鎖することにより、顎骨を再生させる効果も

研究グループは、特殊な医療機器を必要とせず、誰でも簡便に扱うことが可能な根管治療薬の開発を目指して、抗炎症性脂質メディエーターのひとつであるレゾルビンD2に着目し、検証を行った。

レゾルビンD2をラットの根尖性歯周炎モデルに作用させたところ、レゾルビンD2に歯根の先の炎症を抑制するだけではなく、歯根の先端を閉鎖することによって失われた顎骨を再生させる新たな効果があることを発見した。

研究グループは、「本研究成果は、これまでの歯内療法とは大きく異なる革新的な歯内療法を新たに提案するものであり、今後ますます求められる超高齢社会のニーズに応えられる、新たな歯科治療法の開発・発展に寄与することが期待される」と、述べている。

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