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中央社会保険医療協議会総会、ソバルディ薬価、1錠6万円―13年ぶりに画期性加算

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2015年05月15日 PM05:22


■中医協総会で了承

ギリアド・サイエンシズが承認申請していた経口C型慢性肝炎治療薬「ソバルディ」(一般名:ソホスブビル)の薬価収載が、13日の中央社会保険医療協議会総会で了承された。注目されていた薬価は、400mg錠が1錠6万1799円となり、2002年12月収載の抗真菌薬「ファンガード点滴用」以来13年ぶりに画期性加算が適用され、加算率も上限に迫る100%と高い評価が与えられた。20日に薬価基準に収載される予定。一方で、3カ月の内服で薬剤費が500万円を超えるため、生涯医療費のコストベネフィットを検討するよう求める意見も出た。

ソバルディは、リバビリンとの併用により、ウイルス血症を改善するC型慢性肝炎治療薬。3月26日付で承認された。既存のインターフェロンを含む3剤併用療法が24週投与だったのに対し、12週の投与により、初めてインターフェロンを必要とせず、経口薬のみでC型慢性肝炎の治療が可能となる。

インターフェロンを用いた既存治療を大きく変える新薬であり、既に全世界で1兆円以上を売り上げるブロックバスターに成長。米国では1日約12万円という高額な薬価が話題となっており、日本での薬価が注目されていた。

こうした中、薬価算定組織は、ソバルディの薬価を米国の約半額となる1日約6万円と算定。画期性加算を適用し、加算率も70~120%の範囲で上限に迫る100%と高く評価した。画期性加算の適用は02年の「ファンガード点滴用」以来13年ぶり。加算率が70~120%に見直された08年以降では初めてとなる。

ギリアドは、発売後2年目に投与患者数1万9000人、売上高987億円を予測。国内で1000億円を超える大型化を見込んでいるが、ソバルディによる治療は1日1回12週間の経口投与を行う必要があり、3カ月の内服で薬剤費は約550万円かかる。

診療側の中川俊男委員(日本医師会副会長)は「ソバルディの薬価は高いが、目先の高額な治療費ではなく、C型慢性肝炎の生涯にわたる医療費を分析してほしい」と求めた。これに対し、薬価算定組織の清野精彦委員長は、「ソバルディのコストベネフィットも検討したが、生命予後のデータがなかった。生涯医療費のデータは、画期的な新薬が登場した今だからこそ取り組むべき課題」と応じ、肝硬変や肝癌の予後改善まで評価できれば妥当との考えを示した。

 

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