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ツムラ、2017年度売上高は前年比2.5%プラスの1179億円

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2018年05月16日 PM04:00

2021年度に六君子湯の数量ベースシェア11%を目指す

株式会社ツムラは5月11日に2018年3月期決算を公表。売上高1178億7900万円(前期比2.5%増)、営業利益170億5000万円(同6.7%増)、経常利益179億1400万円(同9.2%)、当期純利益145億400万円(同16.1%)の増収増益となった。同日に行われた決算会見で、同社の加藤照和社長は胃腸運動促進剤の六君子湯のシェア拡大に努める方針を表明。「2017年度胃腸運動促進剤市場での六君子湯の数量ベースシェアは8.1%。シェアとしてはまだまだ拡大の余地が大きい。この市場をしっかりと取りに行くことが今年度の課題」と述べ、当面の目標として2021年度の六君子湯の数量ベースシェアで11%を目指すと強調した。


代表取締役社長 加藤照和氏

同社は医療用漢方製剤の中で、高い医療ニーズがありながらも西洋薬治療に難渋している疾患に対応し、エビデンス確立を目指す「育薬処方」、育薬処方に続き治療満足度や薬剤貢献度が低い領域でエビデンス確立とともにガイドライン掲載を目指す「Growing処方」でそれぞれ5製剤を選定し、重点的に営業資源を投下している。

このうち「育薬処方」では大建中湯、抑肝散、六君子湯の3製剤で2021年度終了までに各々売上高100億円超を目標にしている。2017年度売上高実績では大建中湯が105億円(前期比2.5%増)と目標を突破したものの、抑肝散は75億円(同3.3%増)、六君子湯は70億円(同2.6%増)と前期比増収ながらもまだ目標には達していない。

同社は従来から製剤の臨床研究成果を、トップオーソリティーを通じて波及させる戦略を採用している。六君子湯に関しては2017年下半期にターゲット施設比率をHP56%(429軒、市場規模約25%)、GP44%(同341軒、約75%)と定め、トップオーソリティーの多いHP市場に重点を置いてきた。ただ、「市場規模の大きいGPへの活動が弱まり、売上に影響が生じた」(加藤社長)と分析。

2018年度上半期は、ターゲット施設構成比をGP22%(607軒)、HP78%(2213軒)と、ともにターゲット施設を拡大しつつHPに大幅に重点を置く戦略に変更する。また、この戦略実施に当たっては、HPでは消化器がん術後の合併症対策、GPでは機能性ディスペプシアの改善と、重点ターゲット疾患を分ける計画。とりわけ機能性ディスペプシアについては、六君子湯により患者の治療満足度や自覚症状の有意な改善が明らかになった多施設二重盲検比較試験「DREAM Study」が論文化されたことを受けて、5月末をめどに論文内容を資材化し、MRのディテールに利用していく方針だ。

また、今後の地域包括ケア対応として加藤社長は、地域で核となる医師、とりわけ総合診療医を中心に漢方セミナーを展開することでアプローチしていく方針を示した。

米の上市目指す大建中湯は術後イレウスに絞って開発

一方、国際展開に関連し、昨年提携を発表した中国4大保険グループの1つ中国平安保険(集団)股フン有限公司(本社・深セン市)との合弁企業・平安津村有限公司(津村中国出資比率56%)についても触れ、当初4月設立予定だったが、「手続きに時間を擁しており正式な設立は6月中旬ごろになる見込み」(加藤社長)であることを明らかにした。

アメリカでの上市を目指す大建中湯の臨床試験については、過敏性腸症候群、術後イレウス、クローン病で前期フェーズ2を進めてきたが、今後は術後イレウスに絞って開発を進める。この点について会見に出席した同社国際開発本部長の髙崎隆次常務執行役員は「クローン病に関しては分子標的薬の開発の活発化により症例エントリーがなかなか難しい。そのためには開発の国際展開が必要だが、現状の我々の体力では困難。また、IBSについてはFDAが定めるエンドポイントと大建中湯の特性の整合性がつかない」と説明した。

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