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(ビジネスワイヤ) — 武田薬品(TSE:4502/NYSE:TAK)は本日、欧州医薬品庁(EMA)医薬品評価委員会(CHMP)が、欧州およびEU-M4all制度に参加しているデング熱流行国において、すべてのウイルス血清型によって引き起こされるデング熱の予防を目的に、4歳以上を対象として当社のデング熱ワクチン候補TAK-003の承認を推奨したと発表しました。欧州における承認の最終段階はEMAによる販売承認ですが、今後数カ月以内に取得できる見込みです。また、ラテンアメリカおよびアジアのデング熱流行国でも、規制当局による審査が進行中です。
武田薬品のグローバルワクチンビジネスユニットのプレジデントを務めるゲーリー・ダブリン(M.D.)は、次のように述べています。「当社は、デング熱の脅威にさらされている世界中の何百万という人々の多くに利点をもたらす可能性があるデング熱ワクチンの承認に一歩近づきました。これは、世界の医療界、欧州諸国、EU-M4all制度に参加しているデング熱流行国にとって重要な瞬間です。当社は長年にわたり、デング熱を予防する方法の改善に貢献すべく取り組んできました。デング熱の予防に向けた新たな選択肢を提供するという当社の試みは、長期的な社会的価値を当社がご奉仕する人々に提供するという、当社の全社的な目標を支えるものです。」
デング熱の発生率はこの数十年間、世界全体で劇的に増加しており、年間3億9000万人が感染し、50万人が入院していると推定されています1,2。症例の増加は都市化、グローバル化、気候変動などの要因に起因している可能性があります1。重症型のデング熱はデング熱症例の約5%を占め、ラテンアメリカやアジア諸国における小児および成人の重篤な疾患および死亡の主要な原因となっています3,4。デング熱は、流行国から欧州に帰国した旅行者で発熱の原因として2番目に多く診断されています5。デング熱は南北アメリカ、東南アジア、西太平洋地域における流行国の広範囲に及び、フランス、イタリア、ドイツ、スペインを含む欧州大陸や米国などの非流行地域で増加中です6。
デューク・シンガポール国立大学(Duke-NUS)メディカルスクールの新興感染症教授を務めるOoi Eng Eong博士は、次のように述べています。「世界の医療界は、ワクチン接種前検査という障壁なしに使用できるデング熱ワクチンを熱望してきました。武田薬品が提供した充実した臨床データは、同社のデング熱ワクチンがデング熱の症例や入院の予防に役立つ可能性を示しています。今日、私たちはデング熱予防法の改善への貢献と、同疾患が各国、コミュニティー、医療制度に与える疾病負荷の軽減に近づきました。」
CHMPの肯定的見解は、2万8000人以上の小児と成人を対象とした5件の第1、2、3相試験にわたる結果によって裏付けられています。この中には、安全性と有効性を最も正確に評価するために、初回デング熱ワクチン接種完了後3~5年間の追跡データを入手するという世界保健機関(WHO)の勧告に従ったグローバルピボタル第3相 「デング熱に対する4価ワクチン予防接種の有効性試験(Tetravalent Immunization against Dengue Efficacy Study)(TIDES)の4.5年間の追跡調査データが含まれています7。TIDESの探索的分析により、TAK-003は、4.5年間の追跡調査期間を通じて、血清反応陽性と陰性の両被験者を含む全体集団で、デング熱による入院の84%、症候性デング熱の61%を予防したことが示されました。TAK-003の忍容性は概ね良好であり、ワクチン接種者における疾患増強の証拠はなく、現時点までにTIDES試験において重要な安全性リスクは確認されていません。
2022年8月、武田薬品のデング熱ワクチンQDENGA® ▼(4価弱毒生デング熱ワクチン)(TAK-003)は、インドネシア国家医薬品食品管理庁(BADAN POM)により、すべての血清型により引き起こされるデング熱の予防を目的に、6歳から45歳を接種対象として承認されました。TAK-003は、まだ世界の他の地域では承認されていませんが、当社は引き続き他のデング熱流行国および非流行国において、規制当局への承認申請を開始し、手続きを進める予定です。本ワクチンの承認および使用は、当事国の規制当局による評価に加え、当該規制当局が適切と判断した適応症での評価によって決まるものです。
▼本医薬品は、追加的なモニタリングの対象となります。これにより新たな安全性情報を迅速に確認することができます。医療専門家は、疑わしい副作用を報告するよう求められています。副作用の報告方法については、SmPCのセクション4.8を参照してください。 |
皆さまの国で承認された添付文書については、各国の規制当局にご相談ください。
本文書に記載されている医薬品情報は、企業情報を開示することを目的としています。本文書に含まれるいかなるものも、現在開発中のものを含め、処方薬の勧誘、宣伝、表示と見なされるべきものではありません。
CHMPの肯定的見解が、2023年3月31日締め会計年度(2022年度)における当社の通期連結業績予想に及ぼす影響はありません。
武田薬品は、2022年12月にTAK-003に関する投資家向けイベントを開催し、販売計画の詳細や規制関連手続きの進捗に関する最新情報を提供する予定です。
デング熱について
デング熱は、世界で急速に拡大している蚊媒介ウイルス感染症であり、WHOによって2019年の「世界の健康に対する脅威トップ10」の1つに挙げられました8。デング熱は主にネッタイシマカ(Aedes aegypti)と、程度は低いもののヒトスジシマカ(Aedes albopictus)が媒介します1。4種のウイルス血清型のいずれによっても引き起こされ、いずれの血清型もデング熱または重症型デング熱を引き起こす可能性があります。個々の血清型の罹患率は地理、国、地域、季節によって異なり、時間経過とともに変化します2。ある血清型のウイルスへの感染から回復した場合、その血清型に対してのみ生涯続く免疫を得ますが、後に他の血清型のウイルスに感染した場合、重症化のリスクが高まります1。
TAK-003について
武田薬品の4価デング熱ワクチン候補(TAK-003)は、4種のワクチンウイルス型すべての遺伝子型の「バックボーン」として弱毒化された生の2型デングウイルスをベースとしています9。TAK-003は、小児と若年層を対象とした第2相臨床試験のデータにおいて、本ワクチン接種前血清反応が陽性および陰性のいずれの被験者においても、4種すべてのデングウイルス血清型に対して免疫応答を誘導し、これはワクチン接種後48カ月間持続しました。また本ワクチンは全般的に安全で、良好な忍容性を示しました10。ピボタル第3相「デング熱に対する4価ワクチン予防接種の有効性試験」(Tetravalent Immunization against Dengue Efficacy Study、TIDES)では、本ワクチン2回目接種後12カ月の追跡調査期間におけるウイルス学的に確認されたデング熱(VCD)に対する全体的なワクチン有効性(VE)という主要評価項目が達成され、また評価に十分なデング熱症例数を確保できた18カ月の追跡期間における副次評価項目(デング熱による入院に対するVE、被験者の本ワクチン接種前血清反応が陽性か陰性かに応じたVEなど)もすべて達成されました11,12。ワクチンの有効性は、デングウイルスの血清型により異なりました。結果からTAK-003の忍容性は全般的に良好であることが実証されており、現在までのところ重要な安全性リスクは観察されていません。
EU-M4all13について
EU-M4all(EU-Medicines for all、EU-すべての人々にとっての医薬品)は、公衆衛生上大きな関心のある疾患の予防または治療の支援を意図した必須の医薬品やワクチンを患者が利用しやすくするための制度です。EMAは、EU-M4all制度(旧称Article 58制度)を通じて、世界保健機関(WHO)と協力し、EU域外でこの手続きに登録された市場を対象に公衆衛生上の優先度が高い疾患に対する医薬品およびワクチンに関する科学的見解を示すことができます。
第3相TIDES(DEN-301)試験について
二重盲検ランダム化プラセボ対照第3相「デング熱に対する4価ワクチン予防接種の有効性試験」(Tetravalent Immunization against Dengue Efficacy Study、TIDES)は、小児・若年被験者で、4種の血清型のいずれかによって引き起こされ、検査で確認されたあらゆる重症度の症候性デング熱の予防で、TAK-003を2回投与した場合の安全性と有効性を評価する試験です。TIDES試験は、武田薬品における最大規模の介入臨床試験であり、デング熱流行地域に居住する4歳から16歳の健常な小児・若年層被験者2万人以上が組み入れられています11。被験者を2:1の割合でランダムに割り付け、TAK-003 0.5 mLまたはプラセボを0カ月時および3カ月時に2回皮下投与しました11。試験は5つのパートで構成されています。パート1と主要評価項目の解析では、2回目の投与から12カ月後までのワクチンの有効性(VE)と安全性を評価しました11。本試験のパート2ではさらに6カ月継続し、デング熱による入院に対するVEを含め、血清型別、ベースラインにおける血清状態別、疾患重症度別の有効性に関する副次評価項目の評価を行いました11。 パート3ではWHOの勧告に従い、さらに2年半から3年かけて被験者を追跡調査し、有効性および長期安全性の評価を実施しました14。パート4では追加免疫接種後13カ月間の有効性および安全性を評価し、パート5ではパート4が完了してから1年間の長期的な有効性および安全性を評価します14。
本試験が実施されているのは中南米(ブラジル、コロンビア、パナマ、ドミニカ共和国、ニカラグア)とアジア(フィリピン、タイ、スリランカ)のデング熱流行地域にある施設です。これらの地域ではデング熱予防に対する未充足ニーズがあり、重症型デング熱が小児における重篤疾患および死亡の主因となっています14。血清状態別の安全性と有効性の評価を行えるよう、本試験に参加する被験者全員からベースラインにおける血液サンプルを採取しました。武田薬品および専門家から成る独立データモニタリング委員会は、積極的な安全性モニタリングを継続的に行っています。
武田薬品のワクチンに対する取り組みについて
ワクチンは、毎年350~500万人の生命を救い、世界の公衆衛生に劇的な変化をもたらしました15。武田薬品は、70年にわたり、人々の健康を守るため日本でワクチンを供給してきました。現在、当社のグローバルワクチンビジネスは、デング熱、新型コロナウイルス感染症、パンデミックインフルエンザ、ジカウイルス感染症など、世界で最も大きな課題となっている感染症に対し、最先端の取り組みを行っています。武田薬品はワクチン開発、製造およびマーケットアクセスに関する豊富な実績と深い知識を有しており、世界で最も緊急性の高い公衆衛生ニーズに対応すべく、パイプラインの充実に努めてまいります。詳細については、www.Takeda.com/what-we-do/areas-of-focus/vaccines/をご覧ください。
武田薬品について
武田薬品工業株式会社は、日本に本社を置き、自らの企業理念に基づき患者さんを中心に考えるというバリュー(価値観)を根幹とする、グローバルな研究開発型のバイオ医薬品のリーディングカンパニーです。武田薬品は、「すべての患者さんのために、ともに働く仲間のために、いのちを育む地球のために」という約束を胸に、革新的な医薬品を創出し続ける未来を目指します。研究開発においては、オンコロジー(がん)、希少遺伝子疾患および血液疾患、ニューロサイエンス(神経精神疾患)、消化器系疾患の4つの疾患領域に重点的に取り組むとともに、血漿分画製剤とワクチンにも注力しています。武田薬品は、研究開発能力の強化ならびにパートナーシップを推し進め、強固かつ多様なモダリティ(創薬手法)のパイプラインを構築することにより、革新的な医薬品を開発し、人々の人生を豊かにする新たな治療選択肢をお届けします。武田薬品は、約80の国と地域で、医療関係者の皆さんとともに、患者さんの生活の質の向上に貢献できるよう活動しています。詳細については、https://www.takeda.comをご覧ください。
留意事項
本留意事項において、「ニュースリリース」とは、本ニュースリリース(添付資料及び補足資料を含みます。)において武田薬品工業株式会社(以下、「武田薬品」)によって説明又は配布された本書類、口頭のプレゼンテーション、質疑応答及び書面又は口頭の資料を意味します。本ニュースリリース(それに関する口頭の説明及び質疑応答を含みます。)は、いかなる法域においても、いかなる有価証券の購入、取得、申込み、交換、売却その他の処分の提案、案内若しくは勧誘又はいかなる投票若しくは承認の勧誘のいずれの一部を構成、表明又は形成するものではなく、またこれを行うことを意図しておりません。本ニュースリリースにより株式又は有価証券の募集を公に行うものではありません。米国 1933 年証券法に基づく登録又は登録免除の要件に従い行うものを除き、米国において有価証券の募集は行われません。本ニュースリリースは、(投資、取得、処分その他の取引の検討のためではなく)情報提供のみを目的として受領者により使用されるという条件の下で(受領者に対して提供される追加情報と共に)提供されております。当該制限を遵守しなかった場合には、適用のある証券法違反となる可能性がございます。
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医療情報
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