薬事・食品衛生審議会血液事業部会安全技術調査会は27日、新型コロナウイルス感染症ワクチンの接種者が献血を行う場合、接種後48時間は献血ができない期間とする方針を決めた。
従来の不活化ワクチンなどは、接種後24時間を採血制限期間として設定していたが、新型コロナウイルスを対象としたmRNAワクチンは接種後24時間から48時間以内に発熱や頭痛、倦怠感などが認められているため、献血者の安全性を考慮し、採血制限期間を長くした。厚労省は近く、日本赤十字社や各自治体向けに通知を発出する方針。
新型コロナウイルス感染症ワクチンの接種者に対する献血は、厚生労働科学研究班「安全な血液製剤の安定供給に資する適切な採血事業体制の構築に関する研究」(代表研究者:浜口功国立感染症研究所血液・安全性研究部長)で取りまとめられた知見を参考に、当面は採血制限期間を接種後4週間とする措置が取られていた。
この日の調査会では、研究班で知見の整理を行った結果を踏まえ、▽接種後48時間▽接種後24時間――の二つの案を提示し、どちらの案が望ましいか議論。委員からは、接種後24時間を超えても副反応が発現している実態から、献血者の安全性を考慮し、「接種後48時間を採血制限期間とするのが望ましい」との意見が多数を占めた。
献血を実施する日本赤十字社は「問診で献血者の体調を厳格に確認している」とし、献血血液を確保する上で他のワクチンと同じく採血制限期間を接種後24時間とするよう求める意見も出たが、接種後48時間とすることで決着した。
また、全身倦怠感、全身の筋肉痛等の全身性の副反応が認められた場合は、症状消失まで接種を見合わせることも確認した。