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【厚労省】超高額の難病薬が国内上陸-「ゾルゲンスマ」、来月にも承認へ

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2020年02月28日 AM10:00


■米国薬価は2億円超え

薬事・食品衛生審議会の再生医療等製品・生物由来技術部会は26日、ノバルティスファーマの脊髄性筋萎縮症()治療薬「ゾルゲンスマ点滴静注」(一般名:オナセムノゲンアベパルボベク)の製造販売承認を了承した。2歳未満のSMA患者を投与対象とし、既存薬と異なり単回投与で終了する画期的な遺伝子治療薬で、年間投与対象者は15~20人程度。3月中にも承認される見通しだが、昨年5月に承認された米国では約2億3000万円と超高額な薬価がつけられており、日本国内での価格に注目が集まりそうだ。

SMAは、筋力低下、嚥下・呼吸困難、発達遅滞などを引き起こす遺伝性の難病。SMN蛋白質の産生が減少することで脊髄内の運動ニューロンが消失し、筋肉が脳からの信号を受信できなくなり発症する。乳幼児期に発症するI~III型、成人期に見られるIV型と幅広い年齢層で発症し、生後間もなく死亡するケースも見られる。乳児期から小児期の罹患率は、10万人に1~2人とされる。

国内では既にSMA治療剤として、・ジャパンのスピンラザ髄注が承認されているものの、定期的に投与する必要があった。

一方、ゾルゲンスマは単回静脈内投与で完結するのが特徴。2歳未満のSMA患者を対象としているが、遺伝子検査によりSMAの発症が予測されるものも含まれる。ただ、投与対象を抗AAV9抗体が陰性の患者に限定した。ノバルティスは年間投与対象患者数を15~20人程度と見積もっている。

同剤には、SMN遺伝子が組み込まれており、静脈内から患者の運動ニューロンか筋細胞に感染することで、遺伝子発現構成体が細胞核内にとどまり、SMN遺伝子が長期間にわたって安定して発現する。発現したSMN蛋白質が筋細胞の死滅を防いで、神経と筋肉の機能を高めて患者の生命予後を改善する。

2018年に、「AVXS-101」の名称で先駆け審査指定制度の対象品目、希少疾病用再生医療等製品に指定されている。

用法・用量は、体重2.6kg以上の患者に1.1×10の14乗ベクターゲノム(vg)/kgを60分かけて静脈内に単回投与し、再投与はしない。投与液量は、用法・用量に記載された表に基づいて算出する。

安全性・有効性の観点から長期間のフォローが必要と判断し、観察期間を最長15年間とした製造販売後調査を課し、再審査期間を10年とした。

承認条件として、SMAに関する十分な知識と経験を持つ医師が、同剤の臨床試験成績と有害事象の知識を十分に習得した上で、SMA治療に関する体制が整った医療機関で効能・効果、用法・用量を遵守して使用するよう、必要な措置を取ることなどを求めている。

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