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【厚労省】薬局機能表示は知事認定制-地域連携・専門機関連携に分類

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2019年03月01日 AM10:45

厚生労働省は、2月27日に開かれた自民党の厚生労働部会・薬事に関する小委員会合同会議に、今通常国会への提出を予定している医薬品医療機器法()改正案の概要を示した。患者が自分に適した薬局を選べるようにするため、機能別の薬局の知事認定制度(名称独占)を導入。入退院時等に他の医療施設と連携して対応できる機能を持つ「地域連携薬局」、癌などの専門的な薬学管理に対応できる機能を持った「専門医療機関連携薬局」に分類し、一定の要件を満たした上で、都道府県知事が認定すれば名称表示できる仕組みとする。ただ、この日法案は了承されず、改めて合同部会で審議する予定。

厚労省が示した案では、地域密着型の「地域連携薬局」の要件として、▽患者のプライバシーに配慮した構造設備▽入退院時に患者の服薬情報を入院施設と共有▽一定の研修を受けた薬剤師の配置▽在宅訪問の実施▽麻薬調剤、無菌調剤の対応――などを挙げた。

高度薬学管理型の「専門医療機関連携薬局」の要件として、▽患者のプライバシーに配慮した構造設備▽専門医療機関と治療方針等の共有▽専門性の高い薬剤師の配置▽患者が利用している地域連携薬局等との連携▽特殊な調剤の対応――などを示した。より具体的な要件は省令で定められる見通し。

いずれも厚労省が定める要件を満たし、認定された場合にしか表示できない名称独占となる。名称表示の手続きに関しては、「薬局がしっかり機能を有しているかのチェックは必要」(厚労省)との観点から、都道府県知事への届け出ではなく認定の仕組みとした。

薬剤師が調剤時に限らず、必要に応じて患者の薬剤の使用状況の把握や服薬指導を行う「義務」や、患者の薬剤使用に関する情報をほかの医療提供施設の医師らに提供する「努力義務」も法制化する。また、遠隔診療の状況を踏まえ、一定のルール下で遠隔服薬指導を行うことができるようにするため、テレビ電話などによる服薬指導を「対面義務の例外」として規定する。

改正案の施行日は、公布の日から起算して1年を超えない範囲で政令で定めるが、機能別薬局の導入や、薬事担当役員の変更命令を出すことができるガバナンス確保策などについては公布の日から起算して2年を超えない範囲とする。

■趣旨理解も「薬局は一つ」‐日薬山本会長が見解

日本薬剤師会の山本信夫会長は同日の定例会見で、薬機法改正案で示された「地域連携薬局」「専門医療機関連携薬局」についてコメントした。山本会長は、「全ての薬局にこれらの機能を持たせることが本来的な趣旨だと思うが、設備など様々なことを考えるとそうはいかない」と指摘。「特定の機能を持った薬局がリーダー的な仕事をし、かつその薬局を中心にして周辺の地域支援薬局、専門医療機関連携薬局などが地域の患者を見るという考え方について、一定程度理解はしているつもりだ」との認識を示したが、「その結果をもって薬局が3種類できるという話には直接つながらずに、薬局としては一つだ」ともした。

特定の機能を持つ薬局が名称表示する際、都道府県知事の認定とすることについては、「名称独占がかかるので、その意味では自由に届け出制でというわけにはいかない。ある程度は別段の方法をとる必要がある」と指摘。薬局が機能を満たしているかどうかについて、「一定程度、専門家なり内容を確認できる仕組みにしないといけない」との考えを示した。

 

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