医療従事者の為の最新医療ニュースや様々な情報・ツールを提供する医療総合サイト

QLifePro > 医療ニュース > 医療 > 重症喘息にも個別化医療の流れ-アストラゼネカが推進プログラムを発表

重症喘息にも個別化医療の流れ-アストラゼネカが推進プログラムを発表

読了時間:約 1分22秒
このエントリーをはてなブックマークに追加
2018年05月30日 PM02:30

治療の質とスピードの改善を目的に

気管支喘息治療薬「(一般名:(遺伝子組み換え))」を発売したアストラゼネカ株式会社は、5月28日、重症喘息患者の個別化医療を普及/推進するプログラム「」を発表した。


同社メディカル本部長 松尾恭司氏

同社メディカル本部長の松尾恭司氏は、「生活を変える可能性を持つ薬剤への患者アクセスを改善することで、重症喘息患者の治療の質とスピードを改善させたい」と、プログラムの目的を説明した。

同社が行った調査によると、重症喘息患者に生物学的製剤を5症例以上処方した経験がある医師は、専門医の54%、非専門医の9%にとどまっている。プログラムは2018年度から順次行われ、開催規模などの目標数値は決めないが、「参加者の意見をタイムリーに反映させ、進化するプログラムとしたい」(松尾氏)

非専門医と専門医の間の連携不足の解消を

PRECISIONでは、以下の4点についてサポートを行う。

  • 患者紹介の促進…専門医への重症喘息患者の紹介がタイムリーで正確に実施できるよう紹介ネットワークを拡大する
  • 専門性の強化…重症喘息患者の適切な診断および治療、またはそれが可能な専門医に紹介できるよう呼吸器専門医のトレーニングをサポートする
  • 診療体制の拡大…患者像かの可能性および将来の在宅ケアへの転換に備えるためクリニックのインフラをサポートする
  • 環境の構築…サポーターと共に、重症喘息患者紹介の促進に対するポジティブな環境を整備する

パイロットとして、関西地区で2017年12月に行われた講演会では、2府3県から95名のアレルギー・呼吸器領域専門医が参加。約7割の参加者が高く評価した。プログラムのアドバイザーである、近畿大学医学部附属病院の東田有智病院長は「循環器疾患と異なり、呼吸器疾患では一刻を争うような重篤な症状になることはまれで、また、患者側も自らの症状を過小評価し、コントロールされている、と医師に伝えることが多く、特に非専門医から専門医への紹介が円滑に行われていない状況がある。このプログラムが円滑な紹介促進の一助になれば」と語った。

このエントリーをはてなブックマークに追加
 

同じカテゴリーの記事 医療

  • 肝線維化の治療薬候補を同定、iPS細胞から誘導の肝星細胞で-東大ほか
  • 「ストレス造血時」における造血幹細胞の代謝調節を解明-東北大ほか
  • 食道扁平上皮がんで高頻度のNRF2変異、がん化促進の仕組みを解明-東北大ほか
  • 熱中症搬送者、2040年には日本の都市圏で2倍増の可能性-名工大ほか
  • 日本人がアフターコロナでもマスク着用を続けるのは「自分がしたいから」-阪大ほか