医療従事者の為の最新医療ニュースや様々な情報・ツールを提供する医療総合サイト

武田薬品のEXKIVITY®(モボセルチニブ)に関する最新情報

2023年10月05日 AM06:56
このエントリーをはてなブックマークに追加


 

大阪、マサチューセッツ州ケンブリッジ

(ビジネスワイヤ) — 武田薬品(TSE:4502、NYSE:TAK)は米国食品医薬品局(FDA)との協議の結果、プラチナ製剤ベースの化学療法実施中あるいは実施後に病勢が進行した、上皮成長因子受容体(EGFR)エクソン20挿入変異陽性(挿入陽性)を伴う局所進行または転移性非小細胞肺がん(NSCLC)の成人患者さんに対する「EXKIVITY® (モボセルチニブ)」について、米国における自主的取り下げに向けてFDAと協働していくことを発表しました。同様に、EXKIVITYを承認したすべての国で自主的取り下げを開始する予定で、現在販売している国では規制当局と今後の対応に関する協議を進めています。

この決定は第3相EXCLAIM-2検証試験の結果に基づいたものです。同試験で主要評価項目が達成されなかったため、米国FDAが付与した迅速承認および他国の条件付き販売承認の検証データ要件を満たしませんでした。

EXCLAIM-2試験は、EGFRエクソン20挿入変異を伴う局所進行または転移性非小細胞肺がんの一次治療における、単剤療法としてのEXKIVITYとプラチナ製剤ベースの化学療法の安全性および有効性を検討するために計画した第3相多施設共同非盲検試験でした。EXCLAIM-2試験で新たな安全性シグナルは確認されませんでした。試験の全データは、今後の医学学会または査読付き学術誌にて公開する予定です。

当社のグローバル・メディカル・アフェアーズ・オンコロジー責任者であるAwny Farajallah(MD)は、次のように述べています。「アンメットニーズの高い患者さんへのソリューションを追求するという揺るぎない取り組みにより、EGFRエクソン20挿入変異を伴う転移性非小細胞肺がんの患者さん向けに設計された初の経口治療薬としてEXKIVITYを開発し、上市することができました。幸運にも、これまで十分な治療を受けていなかった患者さんの集団にEXKIVITYがもたらした影響を目の当たりにすることができました。また、このような患者さんへの新しい治療法を導入するために承認を受けて以来、その進歩に勇気づけられています。EXCLAIM-2試験から得た知見が、この疾患に関する将来の研究と開発を進める助けとなることを期待しています。」

当社は、EXKIVITYの投与を受けている患者さんが医療提供者との相談のもと、適切な使用を継続できるように努めてまいります。規制当局とともにアクセスの仕組みを積極的に検証中です。現在EXKIVITYによる治療を受けている患者さんは、担当の医療提供者に相談する必要があります。継続的なアクセスに関するご質問は、globaloncologymedinfo@takeda.comまでお問い合わせください。

2024年3月期(2023年度)の通期の連結業績予想については、今回の取り下げによる影響額を引き続き評価し、必要に応じて適切に更新します。

EXKIVITY(モボセルチニブ)について
EXKIVITY は、上皮成長因子受容体(EGFR)エクソン20挿入変異を選択的に標的とするよう特異的に設計された、ファースト・イン・クラスの経口チロシンキナーゼ阻害薬(TKI)です。EXKIVITYは、EGFRエクソン20挿入変異陽性(挿入陽性)を伴う転移性非小細胞がんの患者さんを対象とした第1/2相試験における、プラチナ製剤による前治療を受けた患者さんの解析結果に基づいて承認されました。 米国におけるEXKIVITYの詳細については、www.exkivity-update.comで医療従事者向け情報を提供しています。枠囲み警告など米国における処方情報については、www.exkivity-update.com/prescribing-informationをご覧ください。

EGFRエクソン20挿入変異を伴う非小細胞肺がんについて
世界保健機関(WHO)によると、非小細胞肺がん(NSCLC)は最も一般的な肺がんであり、世界中で毎年新たに診断される肺がん患者数220万人のうち、約85%を占めると推定されています。1-2上皮成長因子受容体(EGFR)エクソン20挿入変異陽性(挿入陽性)を伴う非小細胞肺がん患者は、非小細胞肺がん患者の約1〜2%で、欧米人よりアジア人に多く見られます。3-7EGFRエクソン20挿入変異を特異的に標的としていないEGFRチロシンキナーゼ阻害薬(TKI)や化学療法の効果は限定的であるため、EGFRエクソン20挿入変異を伴う疾患は他のEGFR変異を伴う疾患よりも予後不良と言われています。

当社は、革新的な医薬品の創薬と提供を通じて肺がんコミュニティのニーズを満たすべく、継続的な研究開発に取り組んでいます。

武田薬品について
武田薬品工業株式会社は、世界中の人々の健康と、輝かしい未来に貢献することを目指しています。消化器系・炎症性疾患、希少疾患、血漿分画製剤、ニューロサイエンス(神経精神疾患)、オンコロジー(がん)、ワクチンなどの主要な治療分野および事業分野において、革新的な医薬品の創出に向けて取り組んでいます。パートナーとともに、強固かつ多様なパイプラインを通して新たな治療選択肢をお届けし、患者さんの体験を改善するよう努めています。日本に拠点を置き、価値観に基づく研究開発主導のバイオ医薬品をリードする当社は、患者さん、従業員、そして地球に対するコミットメントを指針としています。約80の国と地域に広がる当社の従業員は、2世紀以上にわたり形作られてきた価値観に基づき、当社の目的を果たすべく活動します。詳細情報については、www.takeda.comをご覧ください。

重要な注意事項
本注意事項において、「プレスリリース」とは、本リリースに関して武田薬品工業株式会社(以下「武田薬品」)が説明または配布した本文書、一切の口頭プレゼンテーション、一切の質疑応答および一切の書面または口頭の資料を指します。本プレスリリース(それに関する口頭説明と質疑応答を含む)は、いかなる法域においても、いかなる有価証券の購入、取得、申込み、交換、売却、その他の処分の提案、案内、勧誘、あるいはいかなる投票または承認の勧誘を構成、表明、あるいはそれらの一部を形成するものではなく、これを行う意図はありません。本プレスリリースは、株式またはその他有価証券の募集を公に行うものではありません。米国では、1933年米国証券法(改正を含む)に基づく登録またはその免除に従う場合を除き、証券取引の勧誘は禁止されています。本プレスリリース(および受領者に提供される可能性のある追加情報)は、受領者が情報のみを目的として使用すること(投資、取得、処分、その他の取引の検討を目的としないこと)を条件として提供されています。該当制限に従わない場合、適用される証券取引法の違反となる可能性があります。武田薬品が直接的または間接的に投資する会社は別の事業体です。本プレスリリースでは、武田薬品およびその子会社全般に言及する場合に便宜上「武田薬品」を使用する場合があります。同様に、「当社(we、usおよびour)」という用語は、子会社全般またはそこに勤務する者を指す場合もあります。これらの表現は、特定の会社を明らかにすることが有益な目的を与えない場合に使用されることもあり得ます。

将来の見通しに関する記述
本プレスリリースおよび本プレスリリースに関連して配布される資料には、武田薬品の見積もり、予測、目標、計画など将来の事業、将来のポジションおよび業績についての将来に関する記述、見解または意見が含まれている場合があります。将来予想に関する記述には、「目標にする」(targets)、「計画する」(plans)、「信じる」(believes)、「望む」(hopes)、「継続する」(continues)、「期待する」(expects)、「目指す」(aims)、「意図する」(intends)、「確実にする」(ensures)、「~だろう」(will)、「~かもしれない」(may)、「~はずだ」(should)、「~だろう」(would)、「~かもしれない」(could)、「予想する」(anticipates)、「見込む」(estimates)、「予想する」(projects)などの文言やその否定表現が含まれることがありますが、これらに限定されるものではありません。これらの将来の見通しに関する記述は、以下を含む多くの重要な要因に関する仮定に基づいており、実際の結果が将来の見通しに関する記述で明示または黙示されたものと大きく異なる可能性があります。 日本および米国の一般的な経済条件など、武田薬品のグローバル事業を取り巻く経済状況。競争による圧力と発展。世界的な医療改革を含む適用法規制の変更。臨床的成功および規制当局の判断とその時期の不確実性など、新製品開発に内在する困難。新規および既存製品の商業的成功の不確実性。製造における困難または遅延。金利および為替レートの変動。市販製品または製品候補の安全性または有効性に関する苦情または懸念。新型コロナウイルスのパンデミックなどの健康危機が武田薬品およびその顧客、サプライヤー(外国においては、武田薬品が事業を展開している国の政府を含む)に与える影響、または武田薬品の事業の他の側面に及ぼす影響。買収企業との合併後に統合を行う時期およびその影響。武田薬品の事業の非中核資産を売却する能力とかかる売却のタイミング。武田薬品が米国証券取引委員会に提出した最新のフォーム20-F年次報告書および武田薬品の他の報告書で特定されたその他の要因(武田薬品のウェブサイトhttps://www.takeda.com/investors/sec-filings/またはwww.sec.govで閲覧できます)。武田薬品は、法令または証券取引所の規則による要求があった場合を除き、本プレスリリースに含まれる将来予想に関する記述または当社が公表する可能性のあるその他の将来予想に関する記述を更新する義務を負いません。過去の実績は将来の経営結果の指針となるものではなく、本プレスリリースに記載された武田薬品の実績または記述は、当社の将来の経営結果を示唆するものではなく、またそれを推定、予測、保証、見積もるものではありません。

医療情報
本プレスリリースには、製品に関する情報が含まれておりますが、それらの製品は、すべての国で発売されているものではなく、また国によって異なる商標、効能、用量、効力で販売されている場合もあります。本文書のいかなる内容も、開発中の医薬品を含むあらゆる医療用医薬品の勧誘・広告・宣伝と見なされるべきではありません。

参考文献

  1. Sung H. Global Cancer Statistics 2020: GLOBOCAN Estimates of Incidence and Mortality Worldwide for 36 Cancers in 185 Countries. https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/33538338/ アクセス日:2023年9月20日
  2. American Cancer Society. What is Non-Small Cell Lung Cancer? https://www.cancer.org/cancer/non-small-cell-lung-cancer/about/what-is-non-small-cell-lung-cancer.html アクセス日:2023年9月20日
  3. Riess, Jonathan W. Diverse EGFR Exon 20 Insertions and Co-Occurring Molecular Alterations Identified by Comprehensive Genomic Profiling of NSCLC https://www.jto.org/article/S1556-0864(18)30770-6/fulltext アクセス日:2023年9月20日
  4. Fang, Wenfeng. BMC Cancer. EGFR exon 20 insertion mutations and response to osimertinib in non-small-cell lung cancer. https://bmccancer.biomedcentral.com/articles/10.1186/s12885-019-5820-0 アクセス日:2023年9月20日
  5. Kobayashi Y, Mitsudomi T. Not all epidermal growth factor receptor mutations in lung cancer are created equal: Perspectives for individualized treatment strategy. Cancer Sci. 2016;107(9):1179-1186. doi:10.1111/cas.12996. アクセス日:2023年9月20日
  6. Yatabe Y, Kerr KM, Utomo A, et al. EGFR mutation testing practices within the Asia Pacific region: results of a multicenter diagnostic survey. J Thorac Oncol. 2015;10(3):438-445. doi:10.1097/JTO.0000000000000422 アクセス日:2023年9月20日
  7. Kris MG, Johnson BE, Berry LD, et al. Using multiplexed assays of oncogenic drivers in lung cancers to select targeted drugs. JAMA. 2014;311(19):1998-2006. doi:10.1001/jama.2014.3741 アクセス日:2023年9月20日

本記者発表文の公式バージョンはオリジナル言語版です。翻訳言語版は、読者の便宜を図る目的で提供されたものであり、法的効力を持ちません。翻訳言語版を資料としてご利用になる際には、法的効力を有する唯一のバージョンであるオリジナル言語版と照らし合わせて頂くようお願い致します。

businesswire.comでソースバージョンを見る:https://www.businesswire.com/news/home/20231002078864/ja/

CONTACT

Japanese Media

Jun Saito

jun.saito@takeda.com

U.S. and International Media

Emma Nash

Emma.Nash@takeda.com

同じカテゴリーの記事 

  • ReNAgadeセラピューティクス、GanNA Bioと糖鎖生物学に対するコミットメントを継続
  • ReNAgade Therapeutics继续致力于GanNA Bio和糖生物学的研究
  • ReNAgade Therapeutics Continues Commitment to GanNA Bio and Glycan Biology
  • C2N Diagnostics Expands Into Japan Through Mediford Corporation Partnership With Precivity™ Blood Testing for Alzheimer’s Disease and Brain Research Market
  • BeiGene Demonstrates Global Progress in 2023 Responsible Business & Sustainability Report