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【厚労省】コロナの中和抗体薬承認-治療選択肢の拡大に期待

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2021年09月29日 AM10:30

厚生労働省は27日、)の新型コロナウイルス治療薬「ゼビュディ点滴静注液500mg」(一般名:)を特例承認した。新型コロナウイルス感染症の重症化リスク因子を持ち、酸素投与を要しない軽症・中等症I患者が投与対象となり、先に承認された中外製薬のロナプリーブと臨床的には同じ位置づけになる。当面は短期入院患者を対象に投与し、その後の使用実績を踏まえ往診でも使用できるよう検討する方針。

薬事・食品衛生審議会医薬品第二部会は同日に同剤を審議し、特例承認しても差し支えないと結論づけた。新型コロナウイルス感染症治療薬では5番目の薬剤となり、軽症患者向けにはロナプリーブに次いで2種類目となる。特例承認了承後に会見した田村憲久厚生労働相は、「新たな治療選択肢の一つになるので期待している」と述べた。

GSKは今月6日に申請し、わずか20日程度で特例承認を取得した。ゼビュディは単回投与のモノクローナル抗体で、新型コロナウイルス表面にあるスパイク蛋白質と結合するACE2受容体結合部位とは異なる部位に結合し、新型コロナウイルスの感染を抑える中和作用を示す。スパイク蛋白質の変異が起こりにくい部分に結合し、薬剤が作用するため、ウイルスの変異株に対する効果も期待される。

18歳以上の新型コロナウイルス感染症患者を対象とした海外臨床試験では、入院や死亡など感染症が進行した被験者の割合がソトロビマブ群が1%、プラセボ群が7%と、重症化リスクを85%低下させた。

また、ロナプリーブが2成分のモノクローナル抗体を組み合わせて投与するのに対し、ゼビュディは1成分で治療を行えるため、医療現場での利便性は高いと見られる。

用法・用量は、通常、成人及び12歳以上かつ体重40kg以上の小児には、ソトロビマブとして500mgを単回投与する。妊婦に対しては治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること、高齢者は患者の状態を観察しながら慎重な投与を行うとされた。

GSKから国が提供を受け、医療機関には無償で配分を行う。田村氏は「しっかりと必要量を確保したい」との意向を示した。

当面は適正使用の観点から短期入院患者を対象に使用する予定だが、「早い時期に安全性が確認できれば、往診まで使用できるようにすることを考えている」とし、ロナプリーブと同様、投与患者の拡大も視野に入れる考えを明らかにした。

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