厚生科学審議会の合同会議は2月26日、新型コロナウイルス感染症ワクチン接種後の副反応疑い症例3件を評価し、「安全性に重大な懸念はない」と結論づけた。いずれも経過観察のために入院したものの、回復に転帰している。
2月17日から始まった医療関係者に対する新型コロナウイルス感染症ワクチンの先行接種は、同25日まで2万1896人に1回目の接種を実施。このうち3件の副反応疑いが厚生労働省に報告されている。
詳細を見ると、19日の接種分では2人報告され、皮膚および口腔内のアレルギー反応と冷感、悪寒戦慄が確認された。
アレルギー反応を起こした人について、報告した医師は接種との因果関係があると判断。基礎疾患として食物アレルギーを持っていた。また、悪寒等が見られた人では、接種との因果関係は「評価不能」とし、神経線維腫症を患っていた。
22日に接種した人は基礎疾患に罹患していなかったものの、手足が上がらない脱力と発熱が見られた。報告医は、接種との因果関係があると評価した。
3人は経過観察のために入院した。副反応疑い基準では、接種後に入院した場合は「重篤」と判断しているが、いずれも現在は回復して退院している。
合同会議では、これら副反応疑い報告に懸念を示す声は出ず、ワクチンに「安全性に重大な懸念は認められない」と結論づけた。