厚生労働省は9日、小林化工が製造販売した抗真菌剤「イトラコナゾール錠」の服用患者に健康被害が発生した事案の再発防止に向け、医薬品製造所への無通告立ち入り検査を徹底強化する通知を都道府県向けに発出した。
無通告立ち入り検査の検査回数を増加する。不正行為が判明した場合の影響が大きく、製造管理が適切に実施されていない可能性が考えられる製造所を優先して検査強化を図る方針。
具体的には、▽原薬の製造や受託製造、多数の後発品を製造する製造所▽過去に無通告立ち入り検査を実施していない製造所▽新たな剤形の医薬品製造を開始した製造所▽多数の自主回収が行われた医薬品の製造所――の検査を強化するとした。
医薬品の製造販売業者、製造業者に対しては、8月に施行される改正医薬品医療機器等法の一部改正に先立ち、薬事に関する責任役員の設置と法令遵守体制の整備を前倒しで対応するよう求めた。
原薬の取り違いを未然に防止する製造管理体制の整備も要請した。
原料の保管や製造工程の管理など必要な事項について重要な秤量、計量、小分け作業は作業者以外の者の立ち会いのもとで実施・管理することとし、管理方法は製造管理基準書に規定するとした。
製造工程の記録については、使用した原料や中間体棟のロット番号などの固有識別情報を記載すること、原料の出納についてもロットごとに入庫年月日、保管中に取られた措置、出庫年月日、出庫数量を記録することとした。