医療従事者の為の最新医療ニュースや様々な情報・ツールを提供する医療総合サイト

QLifePro > 医療ニュース > 医療 > 生理学研究所 音楽で突発性難聴患者の聴力が回復することを明らかに

生理学研究所 音楽で突発性難聴患者の聴力が回復することを明らかに

読了時間:約 1分4秒
このエントリーをはてなブックマークに追加
2014年02月10日 PM04:32

聞こえが悪くなった耳を積極的に活用

自然科学研究機構 生理学研究所は1月29日、同研究所の岡本秀彦特任准教授、柿木隆介教授と他の研究グループが共同で、突発性難聴を発症した患者に聞こえが悪くなった耳を積極的に活用してもらうリハビリテーション療法により、聴力が回復することを明らかにしたと発表した。この結果は、サイエンティフィック・リポーツ誌(Scientific Reports)に1月29日付で掲載されている。

(画像はプレスリリースより)

研究グループは、突発性難聴患者の正常な耳を耳栓でふさぎ、聞こえにくくしたうえで音楽を聞かせた。こうすることによって、難聴になった方の耳に音楽をたくさん聞かせ、難聴の耳とそれに対応する脳部位の神経活動の活性化を試みた。

ステロイド単独療法患者より良く回復

その結果、22名の突発性難聴患者に、通常のステロイド療法に加え、この病側耳集中音響療法を試みた結果、31名のステロイド単独療法の患者と比較して良く回復したという。

また、病側耳集中音響療法を受けた6名の脳の反応を生体磁気計測装置MEG(magnetoencephalography)を使い記録したところ、健常の人と同様に脳活動の左右差が認められたとしている。(小林 周)

▼外部リンク

自然科学研究機構 生理学研究所 プレスリリース
http://www.nips.ac.jp/contents/release/

Constraint-induced sound therapy for sudden sensorineural hearing loss – behavioral and neurophysiological outcomes
http://www.nature.com/srep/2014/140129/

このエントリーをはてなブックマークに追加
 

同じカテゴリーの記事 医療

  • 肝線維化の治療薬候補を同定、iPS細胞から誘導の肝星細胞で-東大ほか
  • 「ストレス造血時」における造血幹細胞の代謝調節を解明-東北大ほか
  • 食道扁平上皮がんで高頻度のNRF2変異、がん化促進の仕組みを解明-東北大ほか
  • 熱中症搬送者、2040年には日本の都市圏で2倍増の可能性-名工大ほか
  • 日本人がアフターコロナでもマスク着用を続けるのは「自分がしたいから」-阪大ほか