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厚生労働省発表、ダニ媒介性感染症によって2人が新たに死亡

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2013年02月19日 PM01:13

ダニの媒介によって感染

厚生労働省は2月13日に、ダニが媒介することによって感染する「重症熱性血小板減少症候群(Severe Fever with Thrombocytopenia Syndrome:SFTS)」によって、新たに2人の死亡が確認されたと発表した。同日に行われた厚生科学審議会感染症部会では、SFTSを全例報告が必要である4類感染症に指定するということを了承した。



SFTSというのは、ウイルスを保有するマダニ類から咬傷されることによって感染し、発症するというウイルス性感染症のことである。咬傷されてから1〜2週間ほど潜伏期間を経たあとに発熱する。またそれ以外の症状としては倦怠感や、消化器症状などがある。検査所見としては、血小板減少や白血球減少、血清電解質異常などが認められる。

今年の1月に国内での第1例が確認された。このことを受けて、38℃以上の発熱や消化器症状があり、血液検査の所見で血小板や白血球の減少などが見られる場合や、集中治療も必要とした患者や死亡者を診た場合には医師が厚労省に必ず報告するように、呼びかけを行なっていた。

(Wikiメディアより引用)



すでに20件ほど厚労省に報告あり

今回確認されたのは、愛媛県に住んでいる成人の男性と宮崎県に住んでいる成人男性の2人である。2人とも昨年秋に死亡している。厚労省に医療機関から情報提供があり、PCR法によって患者血清からSFTSのウイルス遺伝子の断片が確認されていた。

厚労省にはこれまで医療機関からの情報提供が約20件ある。今回の2人の他に確認された2人は、SFTSウイルス陰性と確認されている。それ以外にも現時点では5件の検査を予定している。



厚労省では早ければ3月上旬にも政令を改正、SFTSを4類感染症に指定するということである。4類感染症というのは「動物又はその死体、飲食物、衣類、寝具その他の物件を介して人に感染し、国民の健康に影響を与えるおそれのあるもの」と定義されている。

現在は、E型肝炎、A型肝炎、つつが虫病、デング熱、マラリアなどが含まれている。4類感染症の患者を診断した医師は、すぐに最寄りの保健所長を経由して都道府県知事に届出を行わなければならない。
(福田絵美子)

▼外部リンク

感染症法に基づく医師の届出のお願い
http://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/kekkaku-kansenshou

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