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イーライリリー 糖尿病患者と医師に治療費負担に関する調査を実施―患者は医師の一声を待っている

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2012年12月01日 AM09:13

多くの患者は、高額な治療費に不満を感じている

日本イーライリリー株式会社は、インスリン療法を受けている糖尿病患者の治療費負担について、患者と医師双方の意識・実態を理解するための調査を実施した。対象は、医師200名及び患者200名。

インスリン療法を受けている糖尿病患者にとって、一番の不満は、高額な治療費。約5割の患者は、「趣味・娯楽費」を抑制し、3割の患者は「食費・生活費」を切り詰めていることが明らかになった。

(写真はWikiメディアより引用)

より安価な薬剤を使用したいと思う患者は9割

高額な治療費に苦しむ患者は、何とかならないかと医師に相談したくても、約4割の患者は相談できずにいることも明らかに。

また、インスリンが製剤によって価格に違いがあることを知っている患者は3割と少なく、同等の効果が期待でき、かつ副作用のリスクも同等の場合であれば、より安価なインスリン製剤を「使用したいと」回答した患者は9割にも上っている。

一方、約7割の医師は、患者のこういった不満は認識をしているが、薬剤費を軽減する提案をしたことがある医師は半分以下だという。しかし、患者から要望があれば、より安価なインスリン製剤の処方をしたいと考えている医師は8割にも上るそうだ。

思っていることは同じなのに言い出さない微妙な関係

思っていることは同じなのに、何ともうまくいかないこの関係。非常に歯がゆいものである。

病に苦しむ患者にとって、医師が言うことは“絶対”に近い。もし変なことを相談して機嫌を損ねたら、見捨てられるかも知れないと思うと、何も相談できなくなるものだ。

逆に医師は、安い薬があると勧めることは、患者に失礼だと思っているのかも知れない。また、忙しい診療時間のため、そこまで考える余裕もないのかも知れない。

しかし、ちょっと一声かけてみてはいかがだろうか。もしかしたら、その一声を患者は待っているのかも知れない。

▼外部リンク

日本イーライリリー株式会社 プレスリリース
http://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000019.000005823.html

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