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マイタケにインフルエンザ治療に効果あり!富山大と雪国まいたけ共同研究

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2012年09月20日 AM09:00
免疫機能低下状態でも治療効果に期待

株式会社雪国まいたけと富山大学との共同研究グループは、の凍結乾燥後熱水抽出物に含まれる「α(アルファ)-グルカン」に、免疫機能低下状態における「インフルエンザ感染」「タミフル耐性ウイルス感染」に対する治療効果が期待できるという研究結果を、「日本生薬学会 第59回年会」で発表しました。

共同研究グループでは、2011年10月に開催された「日本食品免疫学会 第7回学術大会」で、「マイタケα-グルカン」を含む凍結乾燥マイタケ抽出物が、「インフルエンザ」に対する治療効果があることを発表していましたが、今回の研究では、高齢者、子ども、療養中の方などの免疫機能低下状態の場合でも、「マイタケα-グルカン」が治療効果を示すことを確認できたとしています。

(プレスリリースより引用)

マイタケα-グルカンには、免疫系に働きかける力がある

「マイタケα-グルカン」は、新鮮なマイタケの凍結乾燥粉末から、高温・高圧条件でのみ得られる抽出物中に多く含まれており、マイタケが栄養として蓄えている貯蔵多糖と考えられています。

今回の研究では、この「マイタケα-グルカン」を、“免疫機能低下マウス”と“正常マウス”に、感染1週間前から1週間後まで、1日2回投与。そして、“免疫低下マウス”には標準的なインフルエンザウイルス、“正常マウス”には、タミフル耐性ウイルスを感染させました。

すると、“免疫低下マウス”においては

肺および気道のウイルス増加量を有意に抑制し、免疫機能正常時と同程度のインフルエンザ治療効果

を示し、“タミフル耐性ウイルス感染マウス”においては、

タミフルがウイルス増殖抑制効果を示さなかったのとは対照的に、「マイタケα-グルカン」を投与したマウスは有意なウイルス増殖抑制効果

を示しました。これら研究成果から、研究グループでは、

「マイタケα-グルカン」は、既存の治療薬とは異なり、免疫機能を介する作用機序によって、ウイルス感染に対する抵抗力が弱っている状態でも、タミフル耐性ウイルス感染に対しても治療効果を示す

と結論付けました。

▼外部リンク

株式会社雪国まいたけ
http://www.maitake.co.jp/press/index_11.php

富山大学
http://www.pha.u-toyama.ac.jp/index.html

日本生薬学会 第59回年会
http://ech.co.jp/nenkai59/index.html

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