厚生労働省は事務連絡で、長時間作用性局所麻酔剤であるロピバカイン塩酸塩の先発品と後発品について、先発品の限定出荷が続いている現状を踏まえ、過剰発注を控えて必要量のみ購入するよう医療機関に要請した。
今回の事務連絡で対象となるのは、先発品であるサンドファーマの「アナペイン注」と後発品でテルモの「ロピバカイン塩酸塩0.75%注『テルモ』」。
帝王切開や無痛分娩など代替製剤の使用が困難な医療行為における使用量を確保できるよう引き続き適正使用に努めることも求めた。
ロピバカイン製剤をめぐっては、先発品のアナペイン注がサンドの設備不具合により限定出荷が続いている現状から、テルモの後発品が通常の後発品薬価収載日程から1カ月前倒しで、今月特例的に薬価基準に収載され、販売が開始されている。
ただ、アナペイン注は一部規格の生産が再開しているものの、製造設備の不具合発生前の生産量まで完全には回復していないため、厚労省は今回、限られた流通量を必要な患者に適切に供給する観点から、事務連絡で適正使用を呼びかけた。