医療従事者の為の最新医療ニュースや様々な情報・ツールを提供する医療総合サイト

QLifePro > 医療ニュース > 医療 > 特定保健指導オンライン面接、BMI減量効果は対面に劣らない可能性-帝京大

特定保健指導オンライン面接、BMI減量効果は対面に劣らない可能性-帝京大

読了時間:約 1分56秒
このエントリーをはてなブックマークに追加
2024年05月22日 AM09:20

新型コロナ流行で特定保健指導オンライン面接増、対面面接と比べた減量効果は?

帝京大学は5月14日、特定保健指導を受けた人のデータより、面接方法別に翌年のBMI(Body Mass Index)の変化を比較した結果、対面面接と比較してオンライン面接のBMIの変化は劣っていないことが明らかになったと発表した。この研究は、同大大学院公衆衛生学研究科の金森悟准教授らの研究グループによるもの。研究成果は、「Journal of Occupational Health」に掲載されている。


画像はリリースより
(詳細は▼関連リンクからご確認ください)

新型コロナウイルス感染症の流行に伴い、特定保健指導においてオンライン面接が急激に増えた。一方で、対面面接と比べて減量効果が劣らないのか明らかでなかった。そこで、今回の研究では、特定保健指導において対面面接に対し、オンライン面接はBMI減少量が劣っていないかどうかを検証することを目的とした。

2020年度に特定保健指導を受けた1,431人対象、面接方法別にBMI変化を比較

同研究は、デパート健康保険組合に加入する被保険者を対象に、・特定保健指導に関するデータを用いた縦断研究。対象者は、2020年度の特定健康診査で積極的支援または動機づけ支援に該当し、2020年度にオンライン面接または対面面接を受けた者、さらに、2020年度に2019年度の特定健康診査の結果をもとにした対面面接またはオンライン面接を受けた者を合計した1,936人。これらのうち、次年度の特定健康診査を未受診の者等を除外した1,431人を解析した。調査項目は、ベースライン時の基本属性と面接方法、問診項目を含む特定健康診査の結果、およびフォローアップ時のBMI。目的変数をBMIの変化、説明変数を面接方法とし、傾向スコアを用いた逆確率重み付け推定法を行った。非劣性マージン(対面面接と比べてBMIの減少量が劣っていないと許容できる上限)は先行研究に基づき0.175とした。

1年間のBMI変化、オンライン群の対面群への非劣性確認

対面面接群は976人(68.2%)、オンライン面接群は455人(31.8%)だった。対面面接群は平均年齢51.1歳、男性491人(50.3%)、オンライン面接群は平均年齢49.9歳、男性214人(47.0%)だった。

1年間のBMIの変化は、対面面接群ではベースライン時の27.61から1年後に27.42、オンライン面接群では27.68から27.48に減少していた。オンライン面接は対面面接と比較して、BMIの変化量が0.014ほど多く減量していたが、統計学的には有意な差ではなかった(p=.847)。またこの際に、統計学的に算出した信頼区間の上限は、事前に検討した非劣性マージンを下回っていた。

、オンライン面接活用の可能性広がる

同研究結果により、オンライン面接のBMIに対する減量効果は、対面面接よりも劣っていない可能性が高いことが明らかになった。同結果より、特定保健指導におけるオンライン面接の活用の可能性を広げることができると考えられる、と研究グループは述べている。

このエントリーをはてなブックマークに追加
 

同じカテゴリーの記事 医療

  • 「親しい人の顔」は物の価値を認識するのと同じ脳領域で学習、サルで解明-筑波大ほか
  • ATTRvアミロイドーシス、未発症者の遺伝カウンセリング+モニタリングが有用-信州大
  • 遺伝性ジストニアDYT-KMT2B、口腔粘膜による非侵襲の診断法開発-東北大ほか
  • 自閉症に特徴的なシナプス形態変化発見、オキシトシン鼻腔内投与で緩和-NCNPほか
  • 間質性肺炎、線維化進行予測の新規バイオマーカー「SP-B」同定-阪大