日本病院薬剤師会副会長で次期会長候補の木平健治氏は21日、神戸市内で講演し、2016年度は病院薬剤師の将来ビジョンを日病薬として検討すると語った。診療報酬を意識して策定するのか、各地の先進的な事例を参考にするのか、社会からの要望を重視するのかなど様々な観点があると説明。具体的な将来ビジョンの内容や策定方法はまだ決まっていないものの、個人的には「変化に順応する薬剤師」を目指してほしいと呼びかけた。

木平氏は「薬あるところに薬剤師あり」など歴代日病薬会長の名言を紹介。木平氏自身が考える今後目指すべき薬剤師像として「医療の効率性や経済性など薬を取り巻くあらゆる変化に順応し、適正な薬物療法と患者支援に取り組む薬剤師」を掲げた。
このほか、介護報酬改定と重なる2018年の診療報酬改定は「非常に重要な分かれ道になる。これをチャンスにしなくてはいけない」と強調。病院薬剤師の業務が診療報酬で評価されるにはエビデンスが重要になるとし、各施設でのエビデンス構築を求めた。
さらに今後「医療を必要とする人口は増えるが、病床数は不変、減少となるため、入院日数は短縮され、地域包括ケアシステムへの移行が図られる。医療連携によるシームレスな薬物療法管理が不可欠になる」と言及。今春の診療報酬改定で新設された薬剤総合評価調整加算を算定する上でも、どれだけ減薬できたかを評価するには、病院と薬局間の連携を強化し、入院前の薬歴をしっかり把握することが求められると語った。