医療従事者の為の最新医療ニュースや様々な情報・ツールを提供する医療総合サイト

QLifePro > 医療ニュース > 医療 > 日立化成 食物系5検査項目を追加した新アレルギー診断薬を発売

日立化成 食物系5検査項目を追加した新アレルギー診断薬を発売

読了時間:約 1分16秒
このエントリーをはてなブックマークに追加
2014年05月02日 AM11:30

医師ニーズの高い項目を追加

日立化成株式会社は4月21日、アレルギー診断薬の新製品となる「マストイムノシステムズIII」の発売を開始した。昨今のアレルギー疾患の罹患率上昇、ひろがる食物アレルギーの深刻な状況を背景に開発したほか、医師からの検査要望が高い食物系5検査項目を追加したという。

同社では、1989年からアレルギー疾患用の体外診断薬販売を行っている。2008年に製造を開始した「マストイムノシステムズII-S」は、食物系、花粉系、環境関連など、アレルギー原因物質である免疫グロブリンのひとつ、特異的IgEの計33項目を1度に測定できる。再検査分を含めても血清0.5mLというわずかな血液で測定が可能であるなど、利便性も高く、医療現場のアレルギー診断補助に活用されている。


(この画像はイメージです)

今回発売を開始した「マストイムノシステムズIII」では、この15年間における食物アレルギー患者の急増、およびアナフィラキシーの際の事故が多発していることなどを背景に、食物系にあたるオボムコイド、バナナ、キウイ、ゴマ、豚肉の5項目を追加。新たな同時多項目アレルゲン特異的IgE抗体測定試薬となっている。

患者も気づいていなかったアレルギー原因の発見にも

要望の高かった5項目の追加により、マストイムノシステムズIIIでは、食物アレルギーにおいてその症例数が多い、または症状が重篤であり生命に係る危険性の高い特定原材料7品目とされているすべてについて、測定が可能となった。

この7品目を含めた食物アレルゲンのほか、花粉アレルゲン、環境アレルゲンなど、合計33項目のアレルゲンを1度に測定できるため、負担は最小限に抑えながら、患者自身も気づいていなかったアレルギー原因を発見しやすくなっているという。

日立化成は、今後もアレルギー診断薬の開発および販売に注力し、人々のアレルギー対策とQOL向上に寄与していきたいとしている。(紫音 裕)

▼外部リンク

日立化成株式会社 ニュースリリース
http://www.hitachi-chem.co.jp/cgi-bin/japanese/

このエントリーをはてなブックマークに追加
 

同じカテゴリーの記事 医療

  • 肝線維化の治療薬候補を同定、iPS細胞から誘導の肝星細胞で-東大ほか
  • 「ストレス造血時」における造血幹細胞の代謝調節を解明-東北大ほか
  • 食道扁平上皮がんで高頻度のNRF2変異、がん化促進の仕組みを解明-東北大ほか
  • 熱中症搬送者、2040年には日本の都市圏で2倍増の可能性-名工大ほか
  • 日本人がアフターコロナでもマスク着用を続けるのは「自分がしたいから」-阪大ほか