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HAE急性発作の発症抑制で承認の「ベリナート皮下注用2000」薬価収載-CSLベーリング

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2022年11月18日 AM10:29

自己投与でHAEの急性発作を抑制可能な皮下注製剤

CSLベーリング株式会社は11月16日、「:Hereditary angioedema、以下HAE)の急性発作の発症抑制」を効能・効果とする血漿分画製剤(乾燥濃縮人C1-インアクチベーター製剤)「(R)皮下注用2000」が薬価収載されたことを発表した。2022年9月26日に厚生労働省より製造販売承認されており、薬価は2000国際単位1瓶(溶解液付)21万4,788円(1日薬価:9万2,052円)。

同製剤は、上記効能・効果に対し60 IU/kgを週に2回投与する皮下注用製剤。HAE患者で不足した血中C1インアクチベーターを補充し、安定的に維持することを可能にし、自宅で自己投与することができる。製造販売元は同社で、2020年8月17日に「遺伝性血管性浮腫の発作の発症抑制」を予定される効能・効果として、希少疾病用医薬品に指定されていた。

海外P3試験で60 IU/kg投与の優越性、日本人患者でも検証

海外第3相臨床試験であるCOMPACT (Clinical Study for Optimal Management of Preventing Angioedema with low-volume subcutaneous C1-inhibitor replacement Therapy)試験、COMPACT長期投与試験 (Open-label Extension)および国内第3相臨床試験でのベリナート(R)皮下注用2000の有効性と安全性が評価された。

COMPACT試験では、期間で調整したHAEの発作頻度は「ベリナート」60 IU/kg群0.52回/月、プラセボ群4.03回/月で、プラセボ投与に対する同剤60 IU/kg投与の優越性が示された(p<0.001、混合モデル)。また、期間で調整したHAE発作頻度のプラセボと比較した減少率の中央値(第1四分位数,第3四分位数)は、60 IU/kgで95.1%だった。国内第3相臨床試験では、海外第3相臨床試験と同様に、日本人HAE患者に対しても同剤60 IU/kg投与の有効性および安全性が検証された。

日本のHAE患者はおよそ2,500人と推定

HAEは、主に遺伝子の変異により血液中のC1インアクチベーターの低下もしくは機能異常により起こる病気。皮膚や腹部(腸)、手足や唇、のどなど、身体中のさまざまな箇所に繰り返し腫れが起こり、特にのどが腫れると気道をふさいで呼吸困難に陥り、命に関わる場合もある。HAEは、国の指定難病「」の疾患の一つに認定されている。日本で診断・治療中の患者は約430人いるという報告がある。しかし、海外のデータでは人口の5万人に1人の割合で患者がいるといわれており、日本にはおよそ2,500人の患者がいると推定されている。

2017年に販売開始以来、30以上の国・地域で販売

日本では、同製剤に先立ち、同一有効成分の静注用製剤「ベリナート(R)P静注用500」がすでに上市されており、1990年にHAEの急性発作の治療を適応として、さらに2017年には侵襲を伴う処置によるHAEの急性発作の発症抑制を追加適応として承認され、販売されている。「ベリナート(R)皮下注用2000」は、世界では2017年に販売開始以来、「Berinert(R)」および「Haegarda(R)」の販売名で、米国、欧州、オーストラリア等、30以上の国・地域で販売されている。

より良いHAE医療を実現するための情報提供や支援を拡充

同社はこれまで40年近くにわたり、世界各国で、HAEコミュニティへの継続的な支援に取り組んでいる。日本で2022年6月に、HAE患者と家族への情報提供の充実を図り、疾患啓発サイト「HAE情報センター」をリニューアルした。このリニューアルは、疾患に関する正しい情報をよりわかりやすく伝えることで、患者・家族の心配や不安を解消するとともに、患者のQOLの向上に寄与することを目的としたものだ。

また、「今までもこの先も、最も信頼され、HAE患者さんに貢献し続ける」ことをスローガンに、新たに「つなぐプロジェクト」を開始した。同社と医療関係者、医療関係者と患者の関係がより密になり、より良いHAE医療を実現するための全社を挙げた取り組みだ。同社は「取り組みを通じて、HAE患者や家族の声に耳を傾け、アンメットニーズに貢献するイノベーションを促進し続けていきたい。HAE患者の生活の質の向上や、患者に対する理解の広がりに貢献することを目指す」としている。

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