医療従事者の為の最新医療ニュースや様々な情報・ツールを提供する医療総合サイト

QLifePro > 医療ニュース > 医薬品・医療機器 > てんかん重積状態治療薬ロラピタ静注2mgを発売-ファイザー

てんかん重積状態治療薬ロラピタ静注2mgを発売-ファイザー

読了時間:約 1分9秒
このエントリーをはてなブックマークに追加
2019年02月22日 AM11:00

海外では1970年代に承認済みだった抗けいれん剤

ファイザー株式会社は2月20日、てんかん重積状態治療薬「ロラピタ(R)静注2mg」(一般名:ロラゼパム)の発売を発表した。同剤は、生後3か月以上の小児および成人におけるてんかん重積状態の治療薬として開発されたベンゾジアゼピン系抗けいれん剤。海外では1970年に経口剤、1976年に注射剤が承認され、2018年6月現在、同社のロラゼパム注射剤は11か国で承認されている。そのうち7か国で、てんかん重積状態の適応症を有しており、4か国では小児の適応症も有している。


画像はリリースより

てんかん重積状態の原因疾患は、てんかんのほか、脳血管障害、中枢神経系感染症、熱性けいれんなど多岐にわたり、発作型や持続時間によっては長期的な後遺症を残す可能性のある疾患とされる。

ロラピタは、欧米ではてんかん重積状態の標準治療として使用されていたにもかかわらず、国内では未承認だった。そこで、日本てんかん学会と日本小児神経学会が、てんかん重積状態に対する開発の要望を提出。その後、「」における検討の結果、2010年に厚生労働省が開発要請を出し、同社が開発を進めていた。

てんかん重積状態における救急対応の新たな選択肢に

日本神経学会の「てんかん診療ガイドライン2018」では、てんかん重積状態の治療として、「第1段階での治療薬は、ベンゾジアゼピン系薬剤のジアゼパムないしロラゼパムの静注である。しかし、ロラゼパム静注製剤はわが国では未発売である」とされており、同剤は今後の日本のてんかん重積状態における救急対応において、選択肢の1つとなる。

ファイザーは、「本剤が、一人でも多くのてんかん重積状態にある患者の救急対応に役立てられるよう、適切な情報提供に注力していきたい」と、述べている。

このエントリーをはてなブックマークに追加
 

同じカテゴリーの記事 医薬品・医療機器

  • 発作性夜間ヘモグロビン尿症、補体(C5)阻害剤と併用投与する薬剤「ボイデヤ(R)」の国内初の承認を取得-アレクシオンファーマ
  • 多発性嚢胞腎、iPS病態モデルから見出した治療薬候補の前期P2試験開始-CiRAほか
  • 男性型脱毛症(AGA)治療薬、デュタステリド錠0.5mgZA「トーワ」発売-東和薬品
  • イブグリース、既存治療で効果不十分なアトピー性皮膚炎で承認-リリー
  • 血液で肝臓線維化を定量評価、「HISCL M2BPGi-Qt試薬」保険適用-シスメックス