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レンボレキサント、不眠障害対象のP3試験で6か月時点の解析結果を発表-エーザイら

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2019年02月06日 PM12:00

睡眠潜時、睡眠効率、中途覚醒時間を、患者の電子睡眠日誌で評価

エーザイ株式会社と米Purdue Pharma社は2月4日、睡眠覚醒障害のひとつである不眠障害の適応で開発中のレンボレキサントについて、長期の有効性および安全性評価を目的とする臨床第3相試験(/303試験)の6か月時点の解析結果について、米国睡眠学会のAdvances in Sleep and Circadian Science(2月1~4日、米国フロリダ州)で発表した。

レンボレキサントは、エーザイ創製の新規低分子化合物で、オレキシン受容体の2種のサブタイプ(1/2受容体)に対し、オレキシンと競合的に結合する拮抗剤。正常な睡眠時は、オレキシン作動性神経が抑制されることから、オレキシンによる神経伝達の阻害により睡眠導入や睡眠維持をはかることができる可能性がある。

SUNRISE2試験は、入眠困難、睡眠維持困難のいずれかまたはその双方を伴う18~88歳の不眠障害患者949人(うち約28%は65歳以上)を対象に、グローバルで実施された、レンボレキサントの有効性および安全性を評価する臨床第3相試験。最初の6か月は、5mg、10mgまたはプラセボを投与し、睡眠潜時(主要評価項目)、睡眠効率および中途覚醒時間(睡眠維持効果、副次評価項目)について、患者の主観評価による電子睡眠日誌を用いて評価した。

6か月時点の解析で、入眠・睡眠維持が有意に改善

同試験の6か月時点の解析結果において、レンボレキサントは5mg群、10mg群のいずれにおいても、主要評価項目および主な副次評価項目について、プラセボ群と比較して統計学的に有意な改善が確認された。主観的睡眠潜時(就床から入眠までに要した時間)のベースラインからの短縮時間(中央値)については、プラセボ群:11.43分に対し、レンボレキサント5mg群:21.81分、レンボレキサント10mg群:28.21分であり、統計学的に有意な短縮が確認された(いずれの用量群もp<0.0001)。主観的睡眠効率のベースラインからの変化(平均値)については、プラセボ群:9.64%に対し、レンボレキサント5mg群:14.19%(p=0.0001)、レンボレキサント10mg群:14.31%(p<0.0001)であり、統計学的に有意な改善が確認された。主観的中途覚醒時間のベースラインからの短縮時間(平均値)については、プラセボ群:29.28分に対し、レンボレキサント5mg群:46.75分(p=0.0005)、レンボレキサント10mg群:41.95分(p=0.0105)であり、統計学的に有意な短縮が確認された。

確認された有害事象のほとんどは軽度から中等度だったが、重篤な有害事象の発現率は、レンボレキサント5mg群:2.2%、レンボレキサント10mg群:2.9%およびプラセボ群:1.6%で、薬剤投与に関連して発現したと判断されたのは1例のみだった。また、レンボレキサントのいずれかの用量群において発現率が5%を超え、かつプラセボ群よりも高かった有害事象は、傾眠、頭痛およびインフルエンザだった。有害事象による試験中止は、レンボレキサント5mg群(4.1%)はプラセボ群(3.8%)と同等だったが、レンボレキサント10mg群はより高頻度(8.3%)だった。

SUNRISE2試験は、エーザイとPurdue Pharmaが不眠障害を対象に、レンボレキサントの安全性および有効性を評価した2つのピボタル臨床第3相試験のうちの1つ。これらの試験結果に基づき、不眠障害の適応で、2018年12月27日に米国食品医薬品局(FDA)に新薬承認申請を提出しており、日本では2018年度中に申請予定。

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