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SKY59、発作性夜間ヘモグロビン尿症対象のP1/2試験の中間解析結果を発表-中外製薬

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2018年12月11日 AM11:30

中外独自の技術を用いた抗C5リサイクリング抗体SKY59

中外製薬株式会社は12月6日、発作性夜間ヘモグロビン尿症()を予定適応症として開発中の抗C5リサイクリング抗体SKY59について、第1/2相国際共同治験「COMPOSER試験」の中間解析結果を、米国・サンディエゴで開催された第60回米国血液学会総会()で発表したと公表した。

PNHは、PIG-A遺伝子に後天的変異を持った造血幹細胞がクローン性に拡大した結果、補体による血管内溶血を主徴とする造血幹細胞疾患。)を代表とする後天性骨髄不全疾患としばしば合併・相互移行する。特徴的な合併症として血栓症があり、また稀ではあるが、急性白血病への移行もある。

SKY59は、同社独自のリサイクリング抗体技術を用いた抗C5リサイクリング抗体。抗体改変技術を用いた研究に特化する中外ファーマボディ・リサーチ(シンガポール)で早期段階から開発された。リサイクリング抗体は、抗原結合部位にpH依存性を持たせることで、1分子の抗体が繰り返し抗原に結合できるようにデザインされているため、一般的な他の抗体に比べて長い血中半減期を有する。同剤は、補体系で重要な役割を担うC5を標的にすることで、補体の活性化を制御し、リサイクリング抗体技術により、皮下注射による治療によって患者および介護者の負担軽減をもたらすことが期待されている。

SKY59投与の全患者で血管内溶血の良好なコントロール示唆

COMPOSER試験は、健康成人およびPNH患者を対象として、SKY59の安全性、有効性、薬物動態および薬力学を評価する国際多施設共同第1/2相オープンラベル試験。健康成人およびPNH患者による3つのパートで構成され、中間解析時、パート1およびパート2は終了。パート3は進行中で、中間解析時の症例数は16だった。

中間解析によると、SKY59を投与したすべてのPNH患者で忍容性が示され、同剤に関連する重篤な有害事象は認められなかった。また、確認された軽度から中等度の有害事象は、感染症、筋骨格痛、頭痛、発疹などだった。同剤を投与したすべてのPNH患者で、完全な補体活性の阻害を達成している。さらに、同剤を投与したすべての患者で、血管内溶血の良好なコントロールが示された。

未治療のPNH患者群(パート2)においては、同剤の皮下投与により乳酸脱水素酵素(LDH)値が減少。試験開始前にエクリズマブによる治療を受けており、SKY59に切り替えた患者群(パート3)においては、低いLDH値レベルが維持されたという。

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