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【ディオバン裁判】検察側、東京高裁判決を不服として最高裁に上告

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2018年12月04日 AM11:14

「経験則違反」と「著反正義」を理由に挙げたか

ノバルティスファーマのアンジオテンシンII受容体拮抗系降圧薬ディオバン(一般名:)を巡る臨床研究で、データを改ざんした論文を宣伝に用いたことが旧薬事法(現医薬品医療機器法)の誇大広告違反に問われた事件について、東京高検は11月30日、ノバルティス社元社員の白橋伸雄被告と同法両罰規定の対象となった法人としてのノバルティスを無罪とした東京高裁判決を不服として、最高裁に上告した。

事件の裁判では一審の東京地裁で、白橋被告によるデータ改ざんを認定したものの、同法66条1項で定めた広告について、(1)顧客誘引性、(2)特定性(商品名の特定)、(3)公知性(一般人が認知できる状態)、の3要件を満たすものとし、事件で問題となった論文については(2)、(3)は満たすものの、(1)は満たさないとして、2017年3月16日に無罪判決を下していた。

東京地検は同年3月29日に地裁判決を不服として控訴。その後、検察と被告側で書面などのやり取りが行われたものの、控訴審の公判は9月13日に開かれ即日結審。11月19日に地裁の無罪判決を支持し、検察の控訴を棄却する判決を下した。控訴審では改めて論文の「顧客誘引性」を否定。また、学問の自由などの関係から66条1項の規制対象に医学論文を含めるのは無理があり、こうした事例では何らかの対応が必要なものの、そのためには新規立法の必要性があると指摘していた。

今回の上告理由について、高検周辺は「経験則違反」と「著反正義」を挙げていると言われる。経験則違反は判例などに照らして事実認定すべきものを怠った場合を指し、著反正義は控訴審判決を維持した場合に、著しく社会正義が損なわれるという考え方。

高検が経験則違反に当たる事実認定をどの部分と考えているかは不明だ。控訴審での検察の主張と判決を見る限りでは、論文の作成過程に関してノバルティスが深く関与したにもかかわらず、判決ではあくまで広告の準備段階として顧客誘引性は認定しなかったことを指すと思われる。

一方、著反正義については地裁判決で白橋被告によるデータ改ざんを認定しながら、罪には問えない点が該当するとみられる。ディオバンを巡る一連の研究不正が疑われた論文に当初から懐疑的な見方を示し、控訴審判決も傍聴をしていた臨床研究適正評価教育機構(J-CLEAR)の桑島巖理事長も控訴審判決直後に「これでは不正をしても罪に問われないという悪しき前例を作りかねない」との懸念を示していた。

もっとも上告はそのほとんどが棄却されるのが実態。過去の事例に照らし合わせば、2019年半ばくらいまでには最高裁の判断が下されるとみられる。

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