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開発中のパンジェノ型レジメン、HCVすべてのジェノタイプで高いSVR12達成-米アッヴィ

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2016年11月21日 AM11:30

ENDURANCE-1など3試験から8週間投与群の結果を解析

米国のアッヴィ社は11月11日、開発中のパンジェノ型レジメンglecaprevir(ABT-493)/(ABT-530)を8週間にわたり投与した結果、(HCV)のすべてのジェノタイプにおいて、12週間後のウイルス学的著効率()を達成したことを発表した。

G/Pは、2種の異なる抗ウイルス薬を組み合わせた1日1回投与のパンジェノ型レジメン。NS3/4Aプロテアーゼ阻害剤であるglecaprevir(300mg)とNS5A阻害剤であるpibrentasvir(120mg)を固定用量で、1日1回3錠服用する。なお、glecaprevirは、アッヴィとEnanta Pharmaceuticals社との提携のもと、現在も進行中のHCVプロテアーゼ阻害剤およびプロテアーゼ阻害剤を含むレジメンの共同研究において発見された。

今回発表された新しいデータは、ENDURANCE-1、ENDURANCE-3およびSURVEYOR-2(パート4)というG/Pの有効性および安全性を評価するための3試験から、8週間投与群の結果を解析したもの。

97.5%がSVR12達成、ウイルス学的失敗例は1%

ENDURANCE-1、ENDURANCE-3およびSURVEYOR-2(パート4)は、HCVのジェノタイプ1~6(GT1~6)型を対象とし、G/Pの安全性および有効性を評価する非盲検、多施設共同デザインの試験。いずれの試験においても、SVR12が主要評価項目とされている。

その結果、肝硬変を有しない未治療のGT1~6慢性HCV感染患者700人以上のうち、投与前のウイルス量に関係なく97.5%(711人中693人)が投与12週後にSVR12を達成し、ウイルス学的失敗例は1%だったとしている(711人中9人)。

また、3試験の8週間投与群のいずれにおいても、有害事象を原因とする投与中止はなかった。これらの投与群で10%を超える主な有害事象は、頭痛および疲労で、いずれの投与群でも20%を超える有害事象は発生しなかった。また、ALTの変化など、臨床的に重大な検査値の異常も確認されなかった。

現在HCVに感染している患者の多くは未治療で、肝疾患の早期の段階にあり、肝硬変に移行していない。そのため、肝硬変を有しない未治療の患者において、G/Pレジメンで8週間治療した際のSVR率をみた今回のデータは今後に期待が持てる結果だ、と同社は述べている。なお、米国では今年中に、欧州および日本では2017年初頭に、規制当局への申請を行う予定としている。

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