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「ボンビバ錠」、骨粗鬆症を効能・効果に製造販売承認取得-中外製薬

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2016年01月27日 AM06:00

骨粗鬆症患者1280万人、骨折発生を抑制する薬剤求められる

中外製薬株式会社は1月22日、スイスのF.ホフマン・ラ・ロシュ社が開発し、日本国内では中外製薬と大正製薬株式会社で共同開発を行ってきた「ビスホスホネート系骨吸収抑制剤イバンドロン酸ナトリウム水和物経口剤」(販売名:(R)錠100mg)について、中外製薬が厚生労働省より「」を効能・効果とした製造販売承認を取得したことを発表した。

国内の骨粗鬆症の患者数は現在約1280万人以上と推定。骨粗鬆症の治療目的は、骨折による寝たきりを予防し、患者のQOLの維持・改善を図ることであり、骨量を増やし骨折の発生を抑制する薬剤が求められている。

国内では、「ボンビバ錠」ならびにイバンドロン酸ナトリウム水和物注射剤(販売名:ボンビバ(R)静注1mgシリンジ)は、ビスホスホネート製剤のアドヒアランスの向上と、患者の状況に合わせた投与経路の選択を可能にする骨粗鬆症治療剤として開発を進めてきていた。先行して開発を行った「ボンビバ静注」は、「骨粗鬆症」を効能・効果として2013年6月28日に中外製薬が製造販売承認を取得し、同年8月29日より中外製薬は大正富山医薬品株式会社と共同販売を行っている。

先行販売の静注剤に対する非劣性確認

今回の中外製薬による厚生労働省への承認申請は2015年2月10日に行われ、国内で実施した臨床試験の成績などが申請資料として提出された。

同社によると、第3相臨床試験(MOVEST試験)では、無作為化実薬対照二重盲検比較法により年齢55歳以上の骨粗鬆症患者422人を対象に、月1回投与の「ボンビバ錠」の有効性および安全性について、月1回投与の「ボンビバ静注」を対照薬として検討。主要評価項目である12か月目の腰椎L2-L4骨密度の増加率(ベースラインからの変化率)はボンビバ錠群で5.22%(95%信頼区間:4.65–5.80)、ボンビバ静注群で5.34%(95%信頼区間:4.78–5.90)だった。ボンビバ錠群のボンビバ静注群に対する変化率(最小二乗平均値)の差は、-0.23%(95%信頼区間:-0.97–0.51)であり、プロトコールの規定を満たしたことから、ボンビバ錠のボンビバ静注に対する非劣性が検証された。なお、副次評価項目の大腿骨骨密度と骨代謝マーカーの変化率も両群で同程度だった。

安全性については、新たな傾向は認められず、また、国内外で得られている試験結果などと大きく異なるものではなく、骨粗鬆症患者に対するボンビバ錠の忍容性が認められたとしている。

中外製薬と大正製薬は、新しい治療選択肢の提供を通じ、今後も骨粗鬆症治療への貢献を目指した取り組みを続けていきたいと述べている。

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