医療従事者の為の最新医療ニュースや様々な情報・ツールを提供する医療総合サイト

QLifePro > 医療ニュース > 医療 > ドライアイ、ドライマウスに苦しむシェーグレン症候群の病因を解明

ドライアイ、ドライマウスに苦しむシェーグレン症候群の病因を解明

読了時間:約 1分9秒
このエントリーをはてなブックマークに追加
2013年03月06日 PM08:13

シェーグレン症候群を誘導する過剰な細胞死

東北大学、理化学研究所、大阪大学の共同研究グループは自己免疫疾患のシェーグレン症候群の病因を解明した。シェーグレン症候群は目の乾燥(ドライアイ)、口の乾燥(ドライマウス)が主症状で潜在的患者数は国内に推定数十万人の難病で、原因は明らかにされていない。

これまでの研究で、転写制御因子のIκB-ζ(IカッパB-ゼータ)を欠損するマウスが病原体のいない環境でシェーグレン症候群様の慢性炎症を発症することはわかっていた。今回、このマウスの涙腺にリンパ球の浸潤を伴う炎症があること、涙の分泌量が低下していること、血清中に自己抗体が存在することをつきとめ、シェーグレン症候群に酷似していると確認した。

次に炎症を引き起こす細胞種を特定する過程で、免疫応答に重要なリンパ球が発症に不可欠であるとつきとめた。しかし、正常マウスのリンパ球でも発症したため、リンパ球以外の細胞種の異常を解析した。
その結果、上皮細胞にだけIκB-ζ遺伝子欠損マウスに炎症が発症し涙腺ではアポトーシスという細胞死が過剰に誘導されていたことから、過剰な細胞死が炎症の原因と判断した。アポトーシスを抑制する薬剤を投与したところ、炎症は抑えられ涙の分泌量も回復した。

細胞死を阻害する薬剤に効果

今回の研究で、涙腺上皮細胞においてIκB-ζがアポトーシスを抑制する働きをすること、その欠損でアポトーシスが過剰に誘導されること、過剰なアポトーシスによって異常なリンパ球が発生して炎症の発症にいたることが明らかになった。つまり、慢性炎症は涙腺上皮細胞の過剰な細胞死が原因で、細胞死を阻害する薬剤で治療可能である。

研究グループはこの成果がシェーグレン症候群をはじめとする組織特異的自己免疫疾患の発症機序を解明し、新たな治療の取り組みにつながるものと考えている。(馬野鈴草)

▼外部リンク

東北大学
http://www.tohoku.ac.jp/

このエントリーをはてなブックマークに追加
 

同じカテゴリーの記事 医療

  • 2cm以上の早期大腸がんに対するESD治療、術後QOLと生存率向上を確認-国がんほか
  • 脳梗塞などの「脳保護療法」として、TEMPOの吸入投与が有効な可能性-群大ほか
  • 脳卒中の回復評価法FMA、再検証により評価対象となっている筋活動が判明-NCNPほか
  • 認知症の可能性を「高齢者と医療者の会話」から検知するAIプログラムを開発-慶大ほか
  • 悪性高熱症、RyR1変異による熱産生暴走メカニズムを解明-阪大ほか